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2008年6月14日 (土)

佐藤優氏に突っ込みが足りない東大印女優 楠城華子

近年、大学というところはそこで何か学ぶかというと、単なる「ブランド」の卒業というだけになってきたようだ。
特に、最近は大卒とは一昔の「短大」「高卒」と同じになって、本当の「大卒」というのは大学院修士課程修了のことを意味する事となりつつある。
それでなのかも知れないが、最近TVのクイズ番組で東大生というブランドを付けながら「全敗」しそうな女子大生も多い。

昔の大学生は、今の東大生ほど学校の勉強はロクに出来なかったかも知れないが、無駄な知識はかなりあった。
何やら解らない本も読んだし、文学全集などつまらなくても、訳が分からなくても良く読んだものだった。
今なら、面倒でそんな本を開く気もしないし、だいいち文学全集はまとめて「Book off」に売ってしまった。
その後一冊100円で売っていたが、今なら引き取りもしないだろう。

戦前は、夏目漱石の「坊ちゃん」を見れば良く解るとおり、「大卒」=「帝大卒」というのはかなり少なかった。
もっとも、東京六大学の大学は戦前から大学で、入るのには「旧制高校」を出る必要があった。だから、旧制高校を出ないで入る「専門部」というのあった。
今では、専門部でも戦後大卒扱いになっているから訳が分からない。

その坊ちゃんの主人公は東京物理学校(東京理科大)。うらなりが九州帝大、赤シャツは、東京帝大。
坊ちゃんという小説は、後から考えると色々と思い当たるところが多い小説ではある。

さて、佐藤優VS楠城華子氏の対談を読んでいるとなぜそこで突っ込まないのかという部分がある。

たとえば、「
佐藤優VS楠城華子の異色対談“諜報機関と女優の微妙な関係 上」でのこんな部分。

「ヨーロッパの政治家とか思想家とかはみんなガーデニングをやってる。ロシアとかはもうちょっと素朴で、大統領府の高官たちなんか、ダーチャという別荘を持っていて、そこの庭でジャガイモとかキュウリなんか植えてるわけ」

なぜこんな部分で何も気がつかないかというと、欧州の社会、特に上級の世界というものが分かっていないのだろうね。
はっきり言って、今でも欧州は階級社会だ。
よく見てみれば、サッカーチームも個人が趣味で持っていたり、フランスのワインのブランドは(元)貴族の持ち物だったりする。
その上、18世紀のLouis14世以降は、欧州からトルコ、ロシアまでの欧州貴族の手本は、フランス貴族の様式を手本とした。
ナポレオンNapoleonがロシアを攻めてモスクワに乗り込んだとき、それを歓迎したのはNapoleonファンの中級ロシア貴族達。
これは、Tolstoyの「戦争と平和」に詳しく書いてある。
そして、ロシア貴族が話した言葉はフランス語だ。ロシア皇帝の中には、フランス語が話せてもロシア語が不得意だったという人物もいた。
だから、「外交官」というのは、「貴族」が専売特許だった。共通語がフランス語であったし。

そもそも貴族というものの基本は、領地を持つ者を意味する。要するに「土地の所有者」なのだが、Louis15世の頃になると妙な趣味が流行った。
それは、領地に「農家」を作って、農民の真似ごとをするという趣味だ。
当然あのマリーアントワネットもそんなところで暮らしたし、附属してバレー劇場なども作った。
大革命の後、1票差(それも策謀による)でギロチンで命を落としたLouis16世の趣味は、そんな疑似農家の納屋で作る錠まいだった。

‥‥てなわけで、要するに「ガーデニング」、「家庭菜園」というのは、元々の貴族趣味に端を発していると言うことだ。
正確に言えば、それが貴族の貴族たる所以。
よくよく見てみれば、天皇陛下も稲を育ててるではないか。
本来の貴族というのはそう言うものだ。

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