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2008年10月29日 (水)

解体か存続か事実上の破綻に近い?農林中金

解体か存続か事実上の破綻に近い?農林中金

10月24日政府は

「地域金融機関などへの公的資金の注入を可能にする金融機能強化法の改正案を閣議決定し、国会に提出した。3月末に期限切れになった旧法で注入の条件としていた再編促進や経営責任の追及は求めず、金融機関が資本注入を受け入れやすい仕組みにする。 (朝日新聞)」

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金融機能強化法は、「金融機能の強化のための特別措置に関する法律」(2004年6月18日法律第128号)に基づいて2004年8月に成立し2008年3月末までの時限立法。
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この中で、「おや」と思った人がいれば相当感が強い。
それは、「民主党は農林中央金庫が資本注入先となりうる点など内容の一部を問題視しており、審議日程は不透明だ。」と言う部分と、今度は資本注入で経営責任が問われないという「徳政令」の意味合いが強いという点である。
この農林中央金庫というのは、「農林中央金庫法という農水省の法律に基づき設立された金融機関」でいわば農林省の天下り先。しかも、貸し出しよりも投資を主として行っている金融機関だと言うことだ。
そして、その問題は2007年9月決算でサブプライム問題で4767億円(償却384億円引き後)を持ちその時点での約533億円の評価損。
2008年3月決算で2873億円(損出額1022億円、評価差損743億円反映)。
公表されている。
その19年度決算を詳細に見てゆくと、リスクが高い債務担保証券(CDO)が2兆5,159億円(資産担保証券ABSを含めると4兆3575億円、住宅担保証券(RMBS・サププライム関連)を含めると5兆2052億円)もあり、4450億円も損失を計上している。

農林中金は、将来7兆円まで買い増すという報道が、7月20日の時点でなされていたがその後追い記事がある。

[東京25日ロイター]25日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、農林中金が資産担保証券(ABS)や債務担保証券(CDO)などの証券化商品への投資を拡大する計画だと伝えた。向こう1─2年間で投資規模を少なくとも6兆円(540億ドル)拡大するという。
 農林中金の幹部はFTに対し「証券化商品に投資しているのは、それらが10年前のようにクリーンになったためだ」と述べた。
 FTによると、農林中金は投資ポートフォリオにおける証券化商品の割合を37%から50%に引き上げることを目指している。 (2008年 08月 25日 07:42 JS)

これは、リーマンが破産する前の話で、今は、住宅担保証券(RMBS・サププライム関連)の8154億円がぶっ飛び、4000億円程度の為替差損でも起きているのではないだろうか。
それだから、

「<農林中金>3000億円規模の増資実施へ 経営安定化狙う
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10月28日11時51分配信 毎日新聞
 農林中央金庫は28日、3000億円規模の増資を年内にも実施する方針を明らかにした。世界的な金融市場の混乱で、保有株式などに多額の含み損を抱え、資本増強で経営の安定性を高める狙い。
 農林中金の下部組織である県レベルの信用農業協同組合連合会(信連)から永久劣後ローンで調達する。全国36信連のうち10を超す信連が資金提供に応じる見通しだ。
 経営の健全性を示す自己資本比率は6月末時点で11.9%と高水準にあるが、市場混乱の影響で09年3月期決算の業績見通し(経常利益3500億円)の下方修正は必至とみられている。今回の増資で自己資本比率を1%程度引き上げる効果を見込む。
 農林中金は、政府が国会に提出した金融機能強化法案で、新たに公的資金の投入対象に加えられた。自力増資によって、「現時点で公的資金の投入は必要ない」との姿勢だ。 農林中金は海外での運用資産が多く、08年3月期決算では米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)関連の損失が約1800億円に達した。【大場伸也】 」

この件に関して農林中金はHPで否定しているが、状況証拠からして事実だろうという感じはする。
この金融恐慌がはじまる前夜の8月末、この農林中金の言動は笑いものにされていたが彼らはどう思っていたのだろうか。
現状を見てみれば、資産担保証券(ABS)や債務担保証券(CDO)など今買う人はいないし、将来的には精算される運命にある。
文藝春秋11月号によれば、中国も米国債権を多く持っていると言われているが、資産担保証券(ABS)や債務担保証券(CDO)などは早めに売り抜け、米国債に。
そして、その米国債も結構売り抜けていたというから日本の対応というのは、どうしたものかというものだ。

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