「追加経済対策」は、車関係の税の減税で
「追加経済対策」は、車関係の税の減税で
政府は、「追加経済対策」として「財政支出5兆円、総事業規模26.9兆円に及ぶ新総合経済対策を発表した。」
まあ見てみれば、新味に乏しいというか発想の貧弱が良く分かる。
なぜそうなのかというと、いわゆる東京という特殊な地域で考える景気対策であるからだ。
公明党の言うがままに受け入れた「所得制限を設けずに年度内実施を目指す定額給付金」など全く意味がないというのは、大方の意見で「単純計算で1人当たり約1万6000円」で何を買おうと言うのだろうか。
特に低所得者層なら景気対策というより、生活資金になって単に使われるだけ。
そんなことは、誰だって分かるだろう。
又、「住宅ローン減税」というのは、今だんだん減税効果がなくなってくるのを拡充すると言うもの。しかし、今まともに土地と家を買えるというのは、公務員か上場企業の社員くらいだ。
その上場企業の社員だって、この景気ならいつリストラされても不思議はない。
不動産会社の倒産も多いと聞けば、無闇にマンションも買うことが出来ない。
たとえば関東の老舗の建築会社の井上工業(東証2部)の破産によって、建築が止まってしまったマンション工事がある。
こんなものを買った日には、いつ引き渡しが出来るかどうか分かったものではない。
だから、「追加経済対策」で経済通は「住宅ローン減税」を重要視するというのは、お門違いだろう。
元々の景気循環論では、不動産の活性化から景気の上向き傾向がはじまるのだが、今の金融機関はその不動産業者を狙い打ちにして黒字倒産させている。
バブル崩壊の後のデフレスイパイラルが始まったのは、住専処理という強硬措置による土地神話を崩壊させたことからだった。
従って「景気循環論」の思想による「住宅ローン減税」の拡充など大した効果はないのではないか。
20-30年ほど前の米国では、ヒスパニック系とか、教育を受けられなかった黒人層は、建物を買うことが出来ず、賃貸のアパート暮らしだった。
そんな人達を対象にしたのがサブブライムローンだったのだが、それ以前は住宅を買えないから車に投資すると言うのが当たり前だった。
今の日本もそんな時代になりつつあるの気がする。
そうであるならば、住宅取得減税の他に車の購入に対する減税の方が効果がある。
誰だって、新車ならそれで旅行に行こうかと思うが、くたびれ果てていつ動かなくなるか分からない車で高速道路を走ろうなどと思わないのが人情というものだ。
そして、車が売れれば古い車が淘汰されて、省エネにもなるし、輸出で苦しんでいるという自動車産業も一息つけるというものだ。
ついでに、揮発油税の暫定税率を廃止すれば、益々車も買い安く、また使いやすくなる。
こんなことは、タクシー、公用車しか使わない高級官僚、政治家諸君は思いもよらないだろう。
しかし、車を使う地方の住民にとっては大きな問題なのだ。
日本の政治というか官僚諸君は、昔の帝国陸海軍の(陸大・海大出の)参謀殿と同じように教わったことしかすることが出来ないようだ。
例えそれが間違っていても、昔の参謀殿が「おかしい・なぜだ」と思っても同じことを繰り返すのとよく似ている。
我々庶民は、いっぺん失敗すれば、同じ間違いは繰り返さない様に、間違いを検証して原因を探り出し、二度と失敗は繰り返さない。なぜなら自身の「命」が掛かっているからだ。
ところが、官僚政治家というのは、間違ったことは「無かったことにして」ひた隠し、隠せないものは「しらばっくれて」批判が通り過ぎるのを待つ。
そして、国民が忘れた頃もう一度同じ間違いをする。
こんな道楽息子のような政治では、大橋巨泉氏の言うように「国は信用しない」ということの方が正しくなる。
そして、国が信用出来ないのであれば、誰もそんな国に多額の税金を払いたくないと言うのが信条だろう。
但し、払いたくても収入が無くて払えない(課税標準以下)という現実もある。
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