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2008年10月27日 (月)

社会主義国に回帰しようとする日本経済の惨状  その2

社会主義国に回帰しようとする日本経済の惨状  その2

「低金利になれば、銀行の預金金利が下がり、家計や企業は預金をしないで又は、銀行から金を借りて消費や投資をする。その結果景気が良くなる」

この経済原理というものは、日本の経済には余り適応せず、元々米国などの貯蓄をしない人達ぐらいにしか成立しないと言うことを知っているだろうか。
政策当局が知っていたら、ゼロ金利政策などしないはずなのであるのだが。
さて、米国の国民の多くは銀行を利用できない人が多い。
しかも当座預金をもてる人は極めて少ない。
またしても映画で申し訳ないが「ゴースト ニューヨークの幻(1990)」Demi Moore デミ・ムーア(恋人役)が主演のこの映画に、霊能者Oda Mae Brown役としてWhoopi Goldberg ウーピー・ゴールドバーグが出で来る。
このウーピー・ゴールドバーが扮する霊能者も銀行とは縁がなく銀行送金を受け取れない。
それで、ゴーストになったパトリック・スウェイジが策略を使って銀行に口座を作らせて小切手を受け取るというシーンがある。
この様に、一般の米国人というのは、銀行に口座を作れず、小切手換金店小切手は現金化。‥‥およそ15-30%の手数料。
現金はペイディ・ローン(Short-term lenders )‥‥2週間ローンで平均15%の利子。
ものを買うときは、Rent-to-own storesという毎週レンタル料を払うと一定期間後にはその商品を所有できるもの。
‥‥などを使う。
要するに生活するためには、借金漬けになる必要があると言うものである。
そうであるならば、金利が下がればより多くの物を Rent-to-ownで買い込むし、金もペイディ・ローンで借りると言う事になる。

ところが、日本ではそんなことにはならなかった。
金利が下がれば、タンス預金が増えるという状況になったことは日銀の調査で分かったことだった。
要するに、日本人は借金が嫌いなのである。
高金利ならば、銀行に金を預けでその利子で温泉旅行の足しにすると言うことでも起きようが、低金利なら元本を減らしてまで温泉旅行へ行くはずもない。
結局、消費は先細りデフレは進行するしデフレスパイラルに落ち込んだ。

しかも、政府は景気対策、消費拡大政策ということは取らず、不良債権処理の名目の元、中小企業を潰してきた一方、不思議なことに貯蓄から投資へだった。
だから日本の株へと言うこともあったが、あのホリエモン事件あたりから株離れも始り、昨年からはサブプライム問題顕在化して‥‥と言うところだったのだが対岸の火事だった。そして、株でない人達はFX(外国為替証拠金取引)だとか、海外の債権を買った。
そんな政府の無策を救ったのが、中国需要が一時的に発生して、鉄鋼、紙その他のものが上がって、国内需要を無視しても何とかなっていたと言うのがこの春先までの話しだ。

そして、今日本の政策は大恐慌中にもかかわらず全く計画変更もなしに、2-3年後に消費税と相続税などの資産課税の増税と言うことを主張している。
しかもそれを煽っているのか、マスコミときているから妙なものだ。
要するに金がないから取れるところから取れというもの。
この増税というものも、実は資本主義社会で今までどこもやったことがない実験であると言うことだ。
しかも、その実験の影響がどうなるのかというシミュレーショなしでのいきなり本番だ。それで、あの橋本政権での3%→5%へ増税したときの議論になる。
増税派は、景気がどうなろうと増税して単に税収が増え増税効果があったではないかという議論であった。(「麻生太郎と小沢一郎の「ヤバい経済学」(2008/10/6)清水 真人 編集委員」)
しかし、その影響で公的資金の注入と「三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券などがよもやの連鎖的な経営破たん」に見舞われるが、そんなことは無視するのが彼らの言い分と言うところだった。
「消費税と相続税などの資産課税の増税」が実験と言った。
この夏頃NHKからアンケート調査があって、スウェーデンをモデルとして消費税を増税するなら、同様に他の税制も直すべき。
特に、米国、EUなどが相続税を廃止する傾向にある中、日本だけが相続税強化を唱えるのはおかしいと述べた。
その後NHKから電話取材があって、「相続税廃止議論の根拠を問いただされた」。
本来、高負担国家(高間接税国家)というものは、国に対する信頼関係というものが重要である。スウェーデンもその国に対する信頼関係がなければ高負担国家は成立し得ない。
そのためには、先祖からもらったものはそのまま相続し、新たに必要なものは日々の生活に必要なもの‥‥という前提が必須だ。
ところが、高額な相続税を掛けると言うことは、必然的に国に対する信頼関係を崩すことになる。
いや、富の再分配だ、相続税廃止は金持ち優遇と言う議論がある。
しかし、それは古い偏狭な「社会主義思想」であると言うことは、各国が随時相続税を廃していることから見ても明らかだ。
一方、車関係諸税の不公平をそのままに一般財源化し、消費税を増税すると言うことは、日本の消費、内需を止めて消費社会であると言うことを止めることである。
米国は、この経済恐慌によって当分大消費国とう地位を去らなければならない。
ならば次には中国に期待する‥‥と言うのが朝日新聞の論調なのだが、どうもそうも行くまい。

今までのハブルのハードランディングによる崩壊、それに対処する低金利政策。
官僚達だけバブル崩壊せずに続いた「失われた10年」の結果として、今またも検証なしに消費税増税、資産課税増税路線を模索する。
この政策というものの基本理念というものは資本主義経済を否定する「社会主義経済」思想であって、大きな政府である。
考えてみれば、建築基準法厳格化などの官製不況は「規制強化」、官僚の権限強化にすぎなかった。
そして、遡及効果を持つ法律をすんなりと受け付けてしまった政府、自民党も国民から見れば信頼の置ける政府ではないと言うことになるのではないか。

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