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2008年10月26日 (日)

再評価されつつある「リチャード・クー」氏の妄言

再評価されつつある「リチャード・クー」氏の妄言

2008年10月25日付読売新聞朝刊13S一面に「市場大混乱・どう立ち向かう」と題して
リチャード・クー氏に経済部のS記者がインタビューしている。
小生などは、いつ最近までリチャード・クー氏は、眉唾の事しか言わない人物と見限っていた。
バブル崩壊の頃には、どう考えても米国の代理人としか写らなかった。
しかも本人は、米国籍であるから第一に米国の利益、次に日本の利益を考えて発言すると言ったときは、良くもぬけぬけとと思ったものだ。
しかし、ここ2-3年の著書言動を見ていると何やら変わってきたのか、又は心を入れ替えたのかと思うほど違っている。
『「陰」と「陽」の経済学』(東洋経済新報社、2007.1.14)実発売2006.12月-の著書は、それまで書いてきたことの大方集大成で、今の言動もこの本ぐらいに集約されている。
現に、日経新聞BizPlus・Koo理Koo論・第12回「『サブプライム』の次に来る『米住宅問題の本質』」(2008/10/07)‥‥FRBは「金融政策が効かない理由」を理解する必要 http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/koo.cfm?i=20081003d8000d8&p=3
で、

「私は『「陰」と「陽」の経済学』(2007年、東洋経済新報社)という本のなかで、『バーナンキのあの理論は間違っている。日本の経験から見れば、バブルが崩壊した後にいくら金利を下げても、誰もお金を借りに来ない。金融政策は空回りするだけだ』と書いた。」

‥‥ある。
又、「米国は今こそ日本の経験生かした政策を」
リチャード・クー氏が語る「転機のグローバル経済」~QUICK特別セミナー2008~
【執筆:QUICK】(掲載日:2008年9月17日)
http://money.quick.co.jp/column/quick/01_1.html
でも、

「バ ブルの処理が終わり、地道に歩んできた日本が見直される余地は大きいと思う。世界の投資先の中で、これまで日本が注目されなかったのは、日本以外の世界が 好調すぎたからだ。日本はバブル崩壊後、バランスシートを健全化してきた。ここで政府が政策転換をして景気を回復させることができれば、世界中の投資家が 「日本のやってきたことは正しかった」と評価し、世界の投資資金が日本株に集まってくるだろう。この場合、円相場は円高に向かうだろう。 」

と講演し、『「陰」と「陽」の経済学』の本の通り円高を予測している。
しかし、『「陰」と「陽」の経済学』の本を書いた頃の論調や経済通を自称する人達からは、結構笑いものにされていたことは、Webで探してみればいたる所にある。
但し、その笑いものにしていたのも精々2008/8月末程度までで、9月15日にリーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)が破産した以降はあまり聞かれていない。
リチャード・クー氏の講釈を受けた麻生総理が言ったことに対して、日経新聞が「麻生太郎と小沢一郎の「ヤバい経済学」(2008/10/6)清水 真人 編集委員」が書いたぐらいである。
いろいろ探してみると、この日経新聞でも書く1997年4月の橋本龍太郎首相による消費税率を5%に上げに関し、リチャード・クー氏は失敗と述べているのに対し、自称経済通は、「木を見て森を見ず」の議論をしている。
「夏以降、アジア通貨危機に端を発した金融危機が襲う。秋が深まると三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券などがよもやの連鎖的な経営破たんに見舞われ、日本経済は奈落の底へ落ちていった。 」
早い話、経済が減速に入ったのは、消費税率を5%に上げたからではなく、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券などが潰れたからだという議論であった。
‥‥米国経済にかぶれるとそこまで頭が硬直するのかと情けないもの。
もっとも10月23日、米国議会証言でグリーンスパン前FRB(米連邦準備制度理事会)議長が、「欠陥があることを認識した」と敗北宣言をした後では、米国経済学信奉者はシュンとなってしまった感がある。

さて、読売新聞のリチャード・クー氏の説は、今までの円安は「円安バブル」と言い切り、そのために日本経済は外需に頼りすぎたと酷評。
そして、円はようやく再評価の過程に入った、今後は内需拡大が必要不可欠と述べる。
これは、至極妥当であると誰でも今なら思う。しかし、半年前いや一ヶ月前でさえ「円安」誘導と経済通入っていたはず。
そう言えば、中国景気が起こる直前のデフレ不況、建設不況の4-5年前は、リチャード・クー氏は米国経済学者と同じように‥‥異口同音に「円安」は日本の景気を回復すると主張していた。
確かに外需で一時出来に回復したと言え「円安」というより、中国景気だったというのは誰もが思うところだ。

そして、後半の貸し渋り対策の「銀行が保有する株」の一時的な買い上げは、夕刊で政府が実施する方向で検討していると報じている。

それにしても、「アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書」山岡 道男 (著), 淺野 忠克 (著) アスペクトISBNコード978-4-7572-1550-4 /1,785円/ 2008年10月
を読むと、今では笑えると言うところが沢山ある。
早く言えば、日本の現実経済と米国経済学で学ぶ経済との乖離がここのまで来てしまったのかとつくづく思うものである。
それにしても、「年利8%の複利で運用するなど」いつどこの話だ!!という事から本がはじまる事を見れば、その本の実態が暴露されるというものだ。
但し、日本のゼロ金利時代の定期預金年利0.04%であるなら、元々話は成立しないというあほらしさではある。

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