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2008年10月 7日 (火)

景気後退・消費税増税遠のくが、増税詭弁まかり通る

景気後退・消費税増税遠のくが、増税詭弁まかり通る

米国の株安を受けて、当然のことのように日本の株は連動して下がった。
しかし、日本の銀行はドイツなどEU諸国の政府による預金全面保護、金融不安をよそに米国の金融機関を買収する‥‥と言うことを欧州のマスコミが評価した。
そのためかどうか知らないが、何とか最終で10000円割れはなかったようだ。
日本の金融機関は、投資銀行を傘下に入れる様なことになり、Caesarが言った「Rubicon川を渡った」と発言したらしい。
投資銀行というのは、自己資金を持たずに他から金を借りてきて、それを上手く投資して利ざやを稼ぐという「博打打ち」のようなものだ。
しかも現状での投資銀行のビジネスモデルは実のところ、日本の低金利に寄っているという馬鹿な事がある。
だから、一端日本が利上げに転じた途端に金が廻らなくなり、資金が干上がってしまうという事もあり得ると言うわけだ。よくよく見てみれば、米国というのは物は生産していなくて、米ドルという紙幣を生産しているところなのである。

日経新聞NETアイ「プロの視点」2008/10/6)清水 真人 編集委員に「麻生太郎と小沢一郎の『ヤバい経済学』」と称して1997年橋本内閣で消費税が3%から5%に増税したとき事が書かれている。
ここで、「計9兆円の増収を見込んで、結果は前年度比で4兆円減だった。差し引き13兆円も読み間違えた。予想屋としては最悪。あれから学習しないのは愚かだ」という麻生首相のことを批判している。
この年、「秋が深まると三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券などがよもやの連鎖的な経営破たんに見舞われ、日本経済は奈落の底へ落ちていった。」と書かれているとおり、日本経済は失速して二段底に落ち込んだ年だった。
いずれにせよ、散々公共事業によって金を注ぎ込み、上向きかけた景気を消費税導入が先折れさせ、夏場のボーナス商戦でさえ閑古鳥の鳴く状態だったのは誰も否定しないだろう。
結局電気屋などは、値下がりを予測して消費税増税分の値引きで対応した。

この時、この様な景気の先折れを予測していたのは、マスコミ関係では「竹村健一氏が米国での過去の事例を引いて警告した」のみだった。
多分、日経新聞など今消費税増税賛成にまわっているように、当時も賛成だったはず。

そして、「プロの視点」での論点は、「97年度の一般会計税収は決算ベースで前年度より約1兆9000億円増えている。」として、麻生首相の発言を問題発言としている。
・俗に言う「9兆円の負担増」‥‥「税制では消費税率アップで5.2兆円、減税廃止で2.0兆円の増収を想定した。年金、医療の保険料引き上げが0.6兆円、病院の窓口での患者負担増も0.8兆円あり、国民負担増の合計は8.6兆円となっていた。」
そして、ここからが詭弁なのだが、政府は「前年度当初比で見込んだ増収額は約6兆5000億円」という。
普通、増税するとそれに見合う節税効果があるので減収になるからなのだが、減収になると思われるのは消費税値上げ分のみであって、確実に3.7兆円の増は間違いないだろう。
なぜなら、減税廃止は確実に2.0兆円であるし、その他の保険料引き上げなども節税効果はあるはずがない。
そうであるならば、最低でも確実に1兆8000億円は減っている。
そして、消費税分の予測としての5兆2000億円はどこへ行ったというものだろう。

「プロの視点」では、「『4兆円の減収』に似た数字を探せば、この97年度の当初見積もりと決算を比べた落ち込みしかない。正確に言えば『前年度当初予算比では6.5兆円増と見積もったが、前年度決算比では1.9兆円の増収にとどまった。97年度の当初と決算を見比べると3.9兆円の読み違いがあった』となる。」と白状するのだが、それでは引っ込んでいない。
そして‥‥
「『4兆円の減収』も『13兆円の読み違い』もなかった。税収が予想をかなり下回ったのは確かだが、前年度に比べれば増えており、増税したのに減収になったわけではない。麻生は総裁選中から討論会などでこの『13兆円』説を繰り返し披露していた。他の総裁候補の1人は『明らかな事実誤認と見て、突っ込もうかとも思ったが……』と言葉を濁す。」

これを詭弁と言わずして何というのかと言うものだ。
なぜなら、景気は上向いて成長が見込まれるから消費税を上げても景気の先折れ、失速は起きないとして値上げしているのであって、「景気の先折れ、二段底」になると分かって増税するバカはいない。
だから、最低でも6.5兆円増と見積もったものが、本来のものではないか。
景気が先折れして、二段底になっても、前年度決算比では1.9兆円の増収だから、増税は間違っていないと言わんばかりなのである。
実際は、大幅増税したのに景気、消費が落ち込み、お陰で企業倒産、企業業績が悪くなって税収が伸びなかったという大失敗の増税例だろう。
それだけでなく、景気が上向いて何とか立ち直りかけていた三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券などが息切れして、国民は大損をした。
当然、小生のその一人なのだが、その後金融機関に資金注入という税金を投入せざる終えなくなり、赤字国債の山を高くしたのは間違いない事実だ。

結局、この日経新聞の記事論調に寄れば、金がないから増税、消費税値上げ‥‥といって、大増税したら景気が悪くなって税収が伸びなかったとしても増税によって税収が増えたから正しいと言うのだろう。
しかし、それによって企業倒産や失業者が溢れ、国内が混乱しても「我関せず」なのではないか。
なぜなら、それを実行した財務省官僚や大新聞である日経の論説委員氏などは、倒産もなければ、給料の減額もない。
余生は、天下りか、子会社で‥と言うのが落ちだろう。
考えてみれば、バブル潰しに奔走した当時の大蔵省銀行局長は順調に天下りし、橋本龍太郎大蔵大臣は、なんと総理大臣になってバブル経済の二段底を作った。

結局、そんなことをやる連中というのは、自分がした事によってどのようなことが起きようと責任も取らず、のうのうと暮らす連中だと言う事だ。
しかし、これでは民主主義ではないだろう。

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