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2008年10月 9日 (木)

日本沈没させる従来からの景気対策に陥る愚

日本沈没させる従来からの景気対策に陥る愚

株下落で日本は景気対策に迫られることになった。
この株安というのは、日経新聞社説(2008/10/09)

「東京市場で進んだ円高は、米欧中央銀行の利下げ観測が強まり、日本との金利差が縮小すると投資家が判断した要因が大きい。いわば消去法による円買いだ。輸出企業などの業績悪化を懸念した投資家が日本株を手放し、株価急落につながった。」

と解説しているのは、小生が昨日述べたのと同じ。
しかし、資金調達という部分では

「外資系銀行の調達金利(無担保コール翌日物金利)は0.6%前後、邦銀でも地方銀行などは0.5%台半ばと、日銀の誘導目標(0.5%程度)を上回った。」(産経)

と言うように、世界一割安で日本は資金を提供している。

やはり日銀は、本来の相場に任せるべきなのではないだろうか。日銀の政策金利0.5%というのは、やはり余りにも安すぎる。
多分、この安すぎる政策金利の付けというのは、今年三月の「円キャリートレード」のようなものが来る。
実際その付けというのが、実は米国の資金不足を日本の金でまかなおうということだと、密かに噂されている。
事実、サブプライムローンが顕在化しなかった春先頃までは、米国の政策金利5%以上で確か平成18(2006)年3月には、

「フェデラル・ファンド金利(FFレート)の目標水準を0.25%引き上げて4.75%に、また公定歩合を0.25%引き上げ、5.75%とする。」

として、5.75%が5.0%に下がったのは2007/10/31と言う具合だった。
この金利ならば、日本のゼロ金利に等しい資金は米国に流れるし、出鱈目の格付け機関は米国の投資先としての格付けを最高のものとするから世界中から金が集まる。
結局、今回の株安、サブプライムローン禍(か)はEU諸国の投資家まで瀕死の重傷を負わせるまでになった。
報道に寄れば、サッカーの英国プレミアリーグは、30億ポンド(約5270億円)の巨額負債を抱えることになり、ビッククラブが破綻する可能性があるとしている。

そして、世界の経済研究機関の報告が如何に出鱈目であるか、別の見方をすれば国の政策などによってその実力が如何に歪められているかという事を端的に分かるものがある。
それは、SWISSの「世界経済フォーラム」が10月8日発表した2008年版「世界競争力報告」と言うものだろう。
それによれば、ランキングは1位米国、2位スイス、3位デンマーク、4位スウェーデン5位シンガポール、6位フィンランド、7位ドイツ、8位オランダ、9位日本。
これは、今年の4月までのデーターによるとしているが、既にサブプライムローンが春には明らかになっている時点、これだからあてにならないものだ。
そして、今や日本より上位の国に投資するという奇特な人はいないだろう。
確か、ドイツも銀行を国有化したものがあった筈。

さて、米国の株の値下がりは、売れるものは売って現金化しようとするために健全な日本株は売られた。どうせ買い戻しという事が起きるようだが金詰まりの信用収縮時はいつもそうだ。
そこで日本政府は、緊急経済対策として‥‥‥

「追加対策は、公明党が求めてきた定額減税のほか、〈1〉証券優遇税制拡充〈2〉企業の設備投資を促す減税〈3〉住宅ローン減税の延長・拡充――などが柱となる見通しだ。高速道路料金の引き下げや中小企業に対する債務保証枠の拡大なども検討する。」(読売新聞)

と言うのが緊急対策のようだ。
しかし、ほとんど緊急的な景気対策には結びつかないのではないか。
従来型の景気対策しか思い浮かばない日本の現状すら知らない人達、官僚だから仕方がないとしてもお粗末すぎる。

まず、公明党の「定額減税」は、薄く広く金を配るもので、こんなものどこかに消えてしまうだろう。特に金を使わない、ものを買わない人達にとっては、毎日の生活で消えてしまう。
〈1〉証券優遇税制拡充 ‥‥といっても、あればよいが株が下がっているときには効果が薄い。
〈2〉企業の設備投資を促す減税‥‥景気が悪いときに設備投資する企業はない。
〈3〉住宅ローン減税の延長・拡充‥‥これは今までもやっていたこと、しかし、景気が悪くなれば住宅を買うなどという話はあるわけがない。
〈4〉高速道路料金の引き下げ‥‥高速道路を使わない人達には効果なし。
〈5〉中小企業に対する債務保証枠の拡大‥‥???

これを見ればよく分かるように、1-5に示す効果が有効になるにはある程度景気が上向いてきたからの話だ。
緊急に景気を上げて‥‥と言う場合には、全く無意味だ。
発想の転換が出来ないと言うのは、バブル崩壊後に景気循環の輪を切ってしまったのに、景気循環論にいつまでも固執した当時の経済企画庁と経済学者、評論家と同じだ。

景気対策というのは、なんと言っても緊急の「内需拡大」しかない。
なぜなら、米国が転けたら大消費国というのは日本しかないからだ。
実際のところ、日本のマスコミ経済人は、一様に日本は輸出国と言って「消費国」であることを無視している。
それは、「輸入国」であるという事も無視しているのであって、その立場はどう見ても日本人の感覚より、米国人経済学者の感覚に近いのではないかと思えるものである。
いつも言っている、鸚鵡(おうむ)経済学者のことなのだが‥‥

その内需拡大とは、消費減税でしかない。
特に高額なもの、住宅に対する消費税の減免や車を買うとき自動車取得税(物品税)、消費税の減免‥‥
その他家電でも金額の張るものは、減免する様なことをすれば消費は伸びるのではないか。米国でも、今度の改正で大統領、副大統領の出身州では、消費税(州税)を米国政府がもつとしているではないか。

ついでに言えば、道路特定財源の暫定税率ほ廃止すれば地方の人は助かるというものだ。しかし、無理だろうな‥‥
なぜなら、麻生政権というのは、福田内閣に続いて実は元の自民党政権に戻ったようなところがある政権だからだ。

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