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2008年11月17日 (月)

‥‥暗澹たる気持ち‥‥‥文藝春秋2008 12月号立ち読み「世界同時不況 日本は甦(よみが)えるか」

文藝春秋2008 12月号立ち読み「世界同時不況 日本は甦(よみが)えるか」
‥‥暗澹たる気持ち‥‥‥
文藝春秋で「世界同時不況 日本は甦えるか」と題して高橋洋一/榊原英資/竹森俊平/渡辺喜美/水野和夫/田村秀男/宮崎哲弥(司会)が話し合っている。
1-「失われた十年」再び来たる 2-株安・円高地獄の脱出策は? 3-「アメリカ金融帝国」没落す 4- GMがトヨタに買われる日
と大上段に振りかざして、「未曾有の経済危機の核心を七人のエキスパートがえぐる」としているのだが、はっきり言って従来の経済談義の枠から出るものではなかった。
特に、高橋洋一氏など小泉内閣の総理秘書官で、いわゆる米国式な視点で日本経済を作り直そうとした意見は、どうもしっくりゆかない。
はっきり言えば今の現状に合わないというか、悪いことを言えば「旧帝国陸海軍の参謀殿」というかって応用の利かない戦術しか提示出来なかった、経済議論でしかない。
しかし、同じ様な米国経済ベッタリの竹森俊平氏(慶応大学教授)や水野和夫(三菱UFJ証券)、ベッタリでもないとしても同じ傾向のある田村秀男(産経新聞論説委員)氏は意見が合うようだ。
違うのは、経済はド素人という渡辺喜美と、榊原英資(元財務官)。
そして、特に突出して話を主導しているのが高橋洋一なのであるが、榊原英資が持論を展開するとほとんど理解出来ないと言うか、頭が受け付けない様子が見て取れる。
榊原英資の持論というと、以前エントリーしたのを再掲してみると‥‥

地方紙に「にっぽん診断」というコラムがあった。
「円安バブルの崩壊」「個人投資家にツケ回る」としてあの榊原英資(元財務官・早稲田大学教授)が述べている。
「‥‥ 極端な円安が今、崩壊した訳だ。長く続いたゼロ金利、低金利の異常さが今になってやっと認識され始めたのだ。『デフレ脱却』を旗印にゼロ金利継続を主張した小泉・竹中路線とそれにそこそこ付き合ってきた日本銀行の誤りのツケを、‥‥円安バブル崩壊のコストは極めて重く日本経済にのしかかることになろう。」

この文藝春秋誌上では、ゼロ金利政策、低金利政策を早く止めて政策金利を2.0%程度にしておけば、利下げ余地もあって日本経済にとって良かったと述べいているに留まる。
一方、高橋洋一氏は、今後「ゼロ金利政策」に移行し、且つ「量的緩和」を推し進めれば景気は回復すると広言して止まない。
そして、「ゼロ金利政策」は効果がなかったではないかと反論すると、「量的緩和」をしても翌日には「金」を引き上げたと日銀の政策を批判する。
しかし、実際は「量的緩和」をして金融機関に「金」を積み上げても、借りる企業はなく単に金融機関のみに金が集まって、市場には流れなかった。
そして、逆に企業は持てる資金、資産を食い潰して「高金利時代」の借入金の返済に充てたわけで、市中の「金」マネーサプライは減少したはず。
実際データーを見てみると(日銀・量的金融指標(市場規模・残高等)/通貨・マネーサプライ (1998年4月から2008年4月まで))
「ゼロ金利政策」を実施した1999年2月から半年以上経った1999年12月から一般企業で急速に資金力が減り、事実上のゼロ金利政策が解除される年の2006年の3月頃には最低値を記録して以後多少の微増がある程度である。
(但し、何の指標で見るかで異なるが)
こんな風に、「ゼロ金利政策」というのは経済に関して意味がなかったし、水野和夫の様に、例え高金利にしても「金を借りている人」にしか影響が出ないと単純に考えている人物もいるから‥…といっても水野和夫氏は、中国経済信奉者だから日本経済はどうするのだと言うものであるが‥‥

最後の方になると、高橋洋一氏などが主張する「マクロ経済」ではなくて、これからは「ミクロ経済」だと榊原英資氏に言われると、その内容も少々雑であったが、やはり頭が全然受け付けない様子であった。

景気を良くする、経済を良くするというのは、国民に「金を持たせる」か「国民の資産」を公平に増やすと言うことにつきる。
その典型例が日本のバブル経済だったのだか、その簡単な原理が分からないのが、ここに参加した「七人のエキスパート」という人達の大半の様だ。
国民の7割が資産(?)として所有している不動産の値上がりは、心理的に国民に「小金持ち」の感覚を与えたし、事実土地を売れば一生食えるというにわか土地成金も出現した。それが回り回って株、債権になってきた。
それを潰したのが、いわゆる米国経済至上主義者であり、マスコミ、官僚達の共産主義思想による「土地所有」アレルギーだった。
そしてもう一つ米国にやり玉に挙げられたのが、「マル優」と日本の貯蓄信奉。
批判されるや税金を取りたい国税は率先して「マル優」を廃止、国は機関投資家に毎月米国国債を幾ら買ったか報告させた。
その米国国債は、やはり米国の差し金によってのその後円高による為替差損で大損をして、証券、生保の破綻の遠因になった。
そして、その手が使えなくなれば、低金利として米国債権へ投資させた。

要するに、日本の国内から金が消えて無くなるというのは、デフレ不況。
今の日本政府の遅い対応、物事の本質を理解していない経済対応は、益々日本経済を混迷させるとしてか思えない。

「良い円高」と「悪い円高」との議論を文藝春秋ではしていたが、実際は「良い円高」しかあり得ない。
何故なら、円高は輸入大国でもある日本では直接国民のふところ具合に影響する。
それに対し、輸出企業のトヨタ、ホンダ、ソニーというのは、ドルを円換算しての話であって、日本企業というより世界に工場を持つ世界企業。
幅広く、国民の隅々まで「円安」の影響は及ばないのは常識ではないか。
米国が「強いドル」を主張したのと同じように、日本も「強い円」を必要とするというのは当然ではないか。
しかし、旧帝国軍人の海大、陸大出の参謀殿が考え方の転換が出来なかったように、欧米に留学して博士号まで取って、頭が日本経済から離れてしまった人物には、もう日本経済を論じて欲しくない思いがする。
戦前の参謀殿の失敗は、もうゴメンであるというのが、偽らざる意見である

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