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2008年11月10日 (月)

景気と金利水準には、極大・極小がある。

社会主義的経済対策しか思いつかない日本の憂鬱


景気と金利水準には、極大・極小がある。

日本の景気対策というと「生活支援定額給付金」などという単に金を国民にばらまくという「社会主義的景気対策」ばかり出ている。
一時期では、同じように「公共事業」というやはり「社会主義的景気対策」だったが、必要なところは大方やり終わってしまった。
だから、今や「公共事業」という土木作業は、やるところを探して「不要」「不急」と言うところしか投資するところがなくなってしまった。
この公共事業というのが、道路特定財源そのものと言って良い。そして、「不要」「不急」であるからこそ、余ってしまうと言うことになる。
さて、景気対策というのは日本だけではなく、EUなどの欧州も考えるようになった。
「欧州景気の悪化を裏付ける経済指標が相次ぎ、域内の政策当局が景気テコ入れへ目の色を変えている。欧州内の中央銀行は6日、一斉に政策金利引き下げを決めた。ドイツやフランスは財政支出や減税も駆使した景気対策を打ち出した。」(日経新聞2008/11/9社説)

ここで、欧州は金利を引き下げる余地が残されていたから余裕を持って引き下げることが出来た。
一方、日本は超低金利であるためにその余地がなく、0.2%引き下げたことに対して、「経済マスコミ」からは非難囂々(ひなんごうごう)だった。
そこで考えられるのは、批判することの何を持って批判するのかと言う事ではないか。
批判は、金利を下げて低金利にすれば、貸出金利が下がると主張するのだが、実際にこれが何を意味しているのか理解しているのだろうかと訝るものである。
いわゆる経済学で言えば、低金利にしてその低金利のために貸し出しが増え、市中に金が出回ると言うことで景気を刺激すると言うのが目標の筈。
ところが、不思議なことに「景気を刺激する」事ではなく、「利下げ」を目標にしてその結果どういう事になっているかは無頓着のように見える。
「景気循環論」で言えば、金融機関からの融資が多い不動産業が「利下げ」に一番反応して動き、それに連れられて建設業が動きと言う具合に裾野の広い産業からじわりと景気循環する。ところが、その「金利」に一番敏感な不動産と言うところを「攻撃・貸渋り」で止めてしまったのがあのバブル以降の景気対策の失敗たった。

そうでないとしても、利子というものには限界がある。
なぜなら誰でもタダで金を貸すわけではないと言うことであり、リスクを取るという事であれば、精々貸し出しは3%程度が限度というものかもしれない。
それが、日本の金融機関が米国などの投資銀行に金を貸したのは、リスクゼロという事が前提で低金利で金を貸したのであって、低金利だからといって日本国内に1%以下で貸したわけではない。
地方紙に「にっぽん診断」というコラムがあった。
「円安バブルの崩壊」「個人投資家にツケ回る」としてあの榊原英資(元財務官・早稲田大学教授)が述べている。
「‥‥極端な円安が今、崩壊した訳だ。長く続いたゼロ金利、低金利の異常さが今になってやっと認識され始めたのだ。『デフレ脱却』を旗印にゼロ金利継続を主張した小泉・竹中路線とそれにそこそこ付き合ってきた日本銀行の誤りのツケを、‥‥円安バブル崩壊のコストは極めて重く日本経済にのしかかることになろう。」

‥‥と榊原英資氏は無意味だった『デフレ脱却』を旗印にゼロ金利・低金利継続政策を批判している。
榊原英資氏は書いていないが、景気刺激のためには市場・市中にいかに金が流通しているかという事を金利との関係で考える必要がある。
高金利になれば、誰も金を使わずに銀行に預け、マネーサプライは減少すると思われているのは当然だが、逆にゼロ金利・低金利政策でもマネーサプライは減少するというのは、日本経済の「失われた10年」実験から明らかになったはず。
要するに、マネーサプライはある金利水準で極大又は、極小になりそれ以外ではマネーサプライは減少すると言うことだ。
だから、好景気を維持するにはある程度の金利水準が必要である。
それが、どのくらいなのかは研究してみないと分からないが、直感で見ると欧州では多分3
%前後程度なのではないかと思う。
なぜなら、ユーロ圏の実質経済成長率がマイナス0.5%、英国がマイナス1.3%になったとしても金利は3%に止めている。
一方、米国は2%程度なのかもしれない。
この差というものは、国民の貯蓄率に関係してる様に思うが、多分日本は4-5%程度と高い可能性がある。

もしそうであるならば、日銀は早めに政策金利を上げて少なくとも欧州並みにしておくべきであり、逆に言えばこれ以上の「利下げ」は日本の景気低迷を長引かせる可能性がある。
そして、日本政府は日本の潜在的な消費行動を見誤っているのは間違いない。
なぜなら、2008/11/9原宿にオープンしたH&Mに2000人も若者が並び、一人10万円、20万円もの買い物をしている事が報道されているからだ。

要するに、ものを買わないような人達に「金」を配っても何の意味がないと言うことだ。そして、ドイツでは車が売れなくなったから
「ドイツは設備投資や新車購入を促進する政策減税など6兆円規模の成長・雇用促進策を決めた。」(同)
‥‥と言うように、「新車購入を促進する政策減税」という内需拡大に力を入れ始めている。
日本の社会主義的な手法によって、経済を破壊し、同じ社会主義的な手法によって、効果もない政策で経済を立て直そうというのは、国民にとって憂鬱な日々でしかない。

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