« フジ系『いいとも!』森大衛氏が武田双雲氏の書を大批判・酷評 | トップページ | 一国の指導者、外交官に求められるもの »

2008年11月 4日 (火)

ジャーナリスト・東谷暁氏に異議あり

ジャーナリスト・東谷暁氏に異議あり

産経新聞Web2008/11/04「【今日の突破口】ジャーナリスト・東谷暁 枠組み抜け出せない日本」と題して、東谷暁氏が記事を書いている。
東谷暁氏とは、最近では雑誌「正論」で「日本経済の突破口」、「寸鉄一閃」という記事を連載している。
しかし、今現在のところ11月号では専門外の筈の「パール判決書」で小林よしのり氏に噛みついたり、その他八木秀次氏に言いがかりを付けたりと支離滅裂な大活躍をしている。
そして、現在発売中の雑誌「正論12月号」では、小林よしのり氏に「寸鉄一閃(11月号)」で本論の「パール判決書」とは別の論点でケチをつけ、本題の「パール判決書」に触れないとやり込められている。
この東谷暁氏の論調については、以前訳も分からぬ参考文献の抜き出しばかりで文章を構成していると批判した。
一方、経済問題に関しては、未だに小泉政権の構造改革と郵政民営化を強く非難するのが持論となっている。
ところが、小泉政権の郵政民営化とは元々小泉氏が常々言っていたとおり、郵便貯金の絡む第二の国家予算となっていた「財政投融資資金」の問題であった。
これが役人の裁量だけで運用されて、天下り法人への無駄な補助金として、又再現もなくODAとして使われた。
それの尻ぬぐいするのは、国家財政の危機としてとらえたからである。
その上、構造改革は小泉政権以前に、為替、貿易、防衛問題と絡めて脅されて約束させられた案件である。
不思議なことに、東谷暁氏というのは、こういう事情は一切無視する傾向がある。

さて、【今日の突破口】ジャーナリスト・東谷暁 枠組み抜け出せない日本」の記事では、小泉政権の経済政策を批判しなから、
(http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081104/plc0811040304004-n1.htm)

「米 国の証券取引委員会(SEC)は9月30日に時価会計の適用緩和を打ち出し、10月の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でも凍結が示唆された が、欧米で議論が始まったのは、実は、いまから半年以上も前のことだった。それは当然のことだろう。不況期に時価会計を継続すれば破綻(はたん)企業が続 出する。過去においても、ルーズベルト大統領が就任後すぐに行ったのは時価会計の凍結であり、高橋是清蔵相も国債への時価主義適用の停止を断行した。」

‥‥と書いて、小泉政権で時価会計の見直しをしなかったことに対して

「小泉政権のある経済閣僚経験者は、日本の不況が続くなかで時価会計の見直し論が出てきたとき、そんなことは世界の恥だと思ったと回想録に書いている。」
として、
「し かし、国際規約といえども危機に際しては、世界に日本の事情を説明することで、弾力的な運用をすることが可能だったはずだ。それをしなかったのは、定めら れた枠組みを金科玉条のごとく崇拝する、日本の政治家や経済学者の奇妙な性癖のせいといってよい。」こんな風に批判している。

我々の一般庶民ならともかく、一応ジャーナリストと名前が付いている人物がこんな認識なのかと唖然とする。
なぜなら、日本がバブル崩壊の後の後遺症と共に、その経済政策の失敗から未だに内需主導型の経済に移行できていないとき、米国では今で言う債権バプルで好景気だった。
当然、今のEU、金融立国を打ち立てたアイスランドの惨状を見ても分かるように、当時は大好景気だったはず。
それは、当然時価会計やBIS規制は、当然のように機能していた時代。日本だけが経済政策の失敗で不況だから「時価会計やBIS規制」を見直すと言うことなど出来るはずもない。
そして、BIS規制自体、日本がバブル経済で浮かれていたときに、日本の官僚が当時の「株高」から何も考えずに歓迎した結果だったはず。

そして、お笑いなのは「高橋是清蔵相」の話。
「時価主義適用の停止を断行した。」と書かれているが、いわゆる経済の主導を握る米国が「不況なら」許されることで、日本単独で許されるはずがない。
まして、東谷暁氏が言うように、「国際規約といえども危機に際しては、世界に日本の事情を説明することで、弾力的な運用をすることが可能だったはずだ。」
として、実行していたら日本の銀行は国際決済を停止させられて海外で活動できなかったことは間違いない。

近年「『国連』という錯覚」‥日本人の知らない国際力学‥‥内海善雄著
を読むと、東谷暁氏のようなノーテンキな思考回路では到底認められないと言うことがよく分かる。
はっきり言って、東谷暁氏にはもう訳の分からない「戯れ言」はもういいと言いたい。
そして、常に過去を振り返って批判ばかりするものの、それでは将来の経済の方針はと聞けば、「米国経済に毒された」マスコミと同じように‥異口同音に‥‥「日銀の利下げ」しかいわない。
そして、それしか考えが浮かばないというのは、多分東谷暁氏が大嫌いであろう旧帝国軍人参謀殿と同じ思考回路であると言って間違いない‥‥のではないか。

ここで少し補足をしてみたい。
なぜなら、産経新聞のWeb版に書かれた事は、雑誌「正論」12月号の
「日本経済の突破口」第6回の前半に書かれていることとほとんど同じであるからである。
そこで

「いまだにサッチャー改革やレーガン革命が無条件に正しかったと論じる日本経済学者や政治学者およひ評論家は少なくない。しかし、その内実について検討することなく称賛するのは、‥‥以下略」

といかにも日本が「レーガン」の政策を真似して実行した風な書き出しだ。
ところが、日本では官僚の抵抗と、社会主義に傾倒した政治家によって「サッチャー改革やレーガン革命」などどちらかと言えば一つも実現していない。
実現したのは、日本は米国に対する金、技術その他の「みつぐ君」となることぐらいであって、逆に、バフル潰しという社会主義的思考が蔓延して、失われた10年を創出させると共にも増税路線となった。
東谷氏は、レーガノミックスによって、「福祉国家に傾斜したアメリカを自由主義に戻した」と評価しているのではなく「酷評」している。
思想的に、民主主義的というよりも社会主義的であり、反米思想で塗り固められたような経済論評というのは、実は迷惑至極である。
それならばいっそこと、米国的経済思想も捨ててしまえばよいものを、後生大事に抱えているようなのでいつも議論は支離滅裂で何がいたいのか分からぬ案配だ。

但し、おまえは頭が悪い‥‥と言われてしまえば、それまでというものではある。

|

« フジ系『いいとも!』森大衛氏が武田双雲氏の書を大批判・酷評 | トップページ | 一国の指導者、外交官に求められるもの »

日本の経済・金融議論」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ジャーナリスト・東谷暁氏に異議あり:

« フジ系『いいとも!』森大衛氏が武田双雲氏の書を大批判・酷評 | トップページ | 一国の指導者、外交官に求められるもの »