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2008年12月 4日 (木)

失われた10年の実験で失敗した経済政策堅持の日本社会主義

自らの官製不況と悟らぬ無能な経済政策で沈没する日本

 

失われた10年の実験で失敗した経済政策堅持の日本社会主義

昨今の新聞を見ると、「09年1月までに1500人の派遣労働者を削減する(日産自動車)」、「キヤノンと東芝が、九州の工場の派遣・期間従業員など計約1600人を削減することが4日、分かった。」‥‥カメラを生産する子会社の大分キヤノン。‥‥プリンター用カートリッジを生産する大分キヤノンマテリアル‥‥「東芝も、液晶テレビ向けなどの半導体を生産する大分工場(大分市)と北九州工場(北九州市小倉北区)で、来年3月末までに派遣社員と期間従業員計約480人を削減する。」
「電機業界では、シャープが年内にも福山工場(広島県福山市)で約300人、三洋電機も来年3月までに半導体レーザーを製造する事業部(鳥取市)の派遣社員約100人の削減を予定している。」(毎日新聞)
というふうに、自動車産業だけでなく今や耐久物資や素材産業にまで及んでいる。
この様になって今日本政府は何をやっているだろうか。
見て見てれば、道路特定財源は維持すると単なる不必要な公共事業に邁進しそうである。しかし、公共事業による景気対策は「失われた10年の実験」で散々試してみて上手く行かなかった手法ではなかったか。
しかも、作って経済的効果が見込まれる公共事業というのは粗方やってしまって、何年か前には公共事業で直す道路も施設もなくなってしまった。
一時期流行った「箱物行政」は「私の仕事館」を見てみれば赤字の垂れ流し、無駄遣いの典型例になった。

雑誌、新聞などの経済評論を見てみると、ついこの間まで「ゼロ金利政策」へというのがある程度オンパレードだった。
その理由は、日本経済に対して投資対象にしないように、魅力のない投資先にして国外から海外へ金を流出させ、又日本円を売らせて円安にするという理由だった。
なぜなら、円安ならば輸出が伸びる、円ドル換算による名目上の売り上げが伸びるというものだった。
ところが、米国経済の回復が長引くと共に、世界経済が萎縮し投げ売りしようとしても「売れない」ということになれば、「円安」は無意味であるだけでなく「害毒」だ。
それなら、いっそのこと「円高誘導」して、日本国内に安い輸入品を導入すれば、金が無くて困っている、「デフレ状態」の日本を救うと考えないのだろうか。
その方法は、単に少し「高金利にする」というだけである。
米国より多少高くなれば、資金は一挙に日本に流れ込み、又多少の利子という「金の流れ」が国内を潤す。
はっきり言って、「失われた10年の実験で失敗した経済政策」の逆をやるというものだ。一般人の常識は、ある手法で失敗したらその逆をやるというものだ。
ところが、経済人、自称経済専門家というマスコミ、評論家は一斉に反対するだろう。
しかし、彼らが推進してきたことで経済が上向かないのであれば、その「説」は間違いであると言うことではないか。
逆に言えば、「責任を取れ」なのである。
しかし、昭和期以降の政治家で責任を取ったのは、岸元首相ぐらいなもので、戦前の帝国陸海軍の指導者、又官僚で責任を取った人物は知らない。
卑近な事例なら、バブル崩壊を主導した人達のだれ一人責任を取っていない。

しかも、リーマンショック以前において、日本では官製不況という従来の行政改革による官僚権限の削減に対する反撃が起きた。
国民の代表者ではない官僚による支配から離れで、民間で出できることは民間にとの、自由化、自己責任に移行する最中、些細な事象から強大な「規制」を発動して新たな権限を拡大した。
それの代表が、例の「確認申請厳格化」であり、建築基準法、建築士法などの改正である。耐震偽装は重大事件‥‥とは言うものの、あらゆる建築士が全て行っているものではない。ことは、個別の案件として処罰すればよいのであって、事実ヒューザー他建築会社、設計事務所などは破産の上、資格を没収された。
ところが、そのほんの一部の人達が行った事に対して、全体責任を課して規制という権限を回復したのが「確認申請厳格化」であり、その結果起きた官製不況である。

そして、ここに来て多分又「官製不況」、「労働者派遣法」による官製不況が起きてくることは間違いない。
なぜなら、労働問題として有名な「2009年問題」があるからである。
‥‥「労働者派遣法」(平成16年3月1日)により契約期限は3年間と定められているため、2006年に派遣契約を結んだ労働者は2009年で契約満了となる。‥‥
ここで、問題なのは「 自動車関連メーカーをはじめとする製造業は06年3月以降、雇用契約を請負から派遣へと切り替えた。」
それは、キャノンの以下のような事柄からも良く分かる。

「3年を超えて働いてもらいたければ、派遣先企業は、正社員として採用する必要があり、キャノンは、一般業務で働く派遣社員を、3年を超えながら、なおも派遣労働者として使い続けたとして、行政指導を受けた経緯があった。(2005年12月)」
そして、実は「労働者派遣法により、3年間の契約満了後、3か月は同じ労働者を受け入れられない。裏を返せば、3か月と1日経過していれば、継続して派遣契約を結んでもいい、となる。この3か月は『クーリング期間』と呼ばれ、同期間を経て再度契約を結ぶということも行われていた。」
ところが、2008年9月26日厚生労働省はこれを違法だとする通達を出した。
「いわゆる「2009 年問題」への対応について(厚生労働省職業安定局長)」
職発第0 9 2 6 0 0 1 号
‥‥‥「また、継続して労働者派遣の役務の提供を受けているかどうかについては、労働者派遣の役務の提供を受けていた派遣先が、提供を受けていた労働者派遣の終了と新たな労働者派遣の開始の間の期間(以下「クーリング期間」という。)が3か月を超えているかどうかによって判断しているところであるが、単に3か月を超える期間が経過すれば、
新たに当該業務に労働者派遣の役務の提供を受けることとすることは、労働者派遣法の
趣旨に反するものであること。」
「なお、本取扱いにより、直接雇用への切替えによる対応が違法な労働者供給事業と
して判断される場合には、その期間が3 か月を超えている場合でも、当該期間が違法
であることから、クーリング期間が適正に3か月を超えているとは判断できないこと。」

結局、これで派遣労働者は合法的にゼロになるわけだ。

今の日本政府のやることは、全て裏目裏目に出る。
それはなぜなのかといえば、社会主義政策だからだ。
以前から言われているように、日本は資本主義社会、消費社会という現状に社会主義手法を適用させようとしている。
それが失敗だったのは、先ほど述べた「失われた10年の実験」で経済が回復しなかったことで証明されている。
そして、日本はサブプライム問題では軽微だったと法螺を吹いたものの、実は単に不況で何もしていなかったにすぎなかったのは、輸出が転けて惨状呈した現状を見れば明らかだ。

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