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2008年12月17日 (水)

佐久間良子氏の不思議な書歴・NY二人展「書に遊ぶ」

NY二人展「書に遊ぶ」女優・佐久間良子氏の不思議な書歴

平成20年12月16日(火)の新聞各紙には、「佐久間良子さんNY展(読売夕刊・ニューヨーク支局)」とか、「女優の佐久間良子さんがNYで書道展(産経Web・ニューヨーク 長戸雅子)」とかに書かれている。
そこで不思議に思ったのは、
「佐久間さんは子供のころから『外で遊ぶより字を書くことが好き』で独学で書道を始めた。」 (産経)
「幼いころから、独学で書を追求してきたという佐久間さん。」(読売)
‥‥となぜか独学を強調している。
そして、もっと不思議なのは
「佐久間さん直筆の礼状を目にした知人から勧められて昭和50年に日展出品、見事入選を果たした。そのときに書道家の手島右卿氏から『音楽的、絵画的とさまざまな要素を持った書』と評価された。(産経)」
最近見た雑誌に毎日展入選をしたことがあると写真入りで掲載されていた。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』では、「書道では1977年(昭和52年)に「日展」に入選。「毎日書道展」でも入選。」とあって、入選時期は不明確ながら間違いないらしい。

ここで何がおかしいのかというと、まず日展で当時の手島右卿氏から評価されるということだ。
手島右卿先生は、年譜によると「1947年書道芸術院結成・総務理事となる。」とあり、「1952年独立書道会(現独立書人団)を結成。代表となる。」となって所謂毎日系の書家である。
昭和50年頃に日展に関係しているとは経歴にない。
昭和50年頃といえば、毎日展から読売書法展へ分離する前夜であって混沌とした時代。(毎日書道会小史)
そしてどちらかと言うと書論で毎日系と対立していた日展ではあったが、今も昔も日展入選(5科)というのは、至難の業である。
だから当時でも、所謂「毎日系」と呼ばれる書家には縁のないことが多い。
特に、手島右卿先生が結成された独立書人団などは、「一字書系」という現代書系であって、日展・読売系とは相容れない。

そして、女優・佐久間良子氏の作品‥‥写真写る作品は小品とは言え「一字書」。
どう考えても独立書人団系の影響を受けていると言うものだろう。
その上、日展入選にしろ、毎日展入選にしろ個人出品ではあり得ないというのが書道の常識だ。まして「独学で」などと言ったら笑いものだ。
なぜなら、書は絶対に独学で学ばないからだ。
そして、独学で学ばないから先生に付いて団体出品するのである。
その上、日展入選は先生が日展の審査員でない限り、又は審査員に連なる先生でない限り100%入選はしない。
なぜなら入選率は、新国立美術館移行で多くなったと言え今年でも9.7%にすぎない。
有名人だから‥‥それもあるかも知れない。
日展の2科洋画では、何年か前に「ジュディオング氏」の版画が特選だった。今年は、最後の出口付近のその他大勢の部類に展示されていた。

それにしても、「独学」と強調しているのはなぜなのだろう。
多分、最近は日展は当然としても、毎日展にも出品せず、師匠にも付かず気の向くままに書を書いてきたと言うことか。
もしそうであるならば、「独学で日展入選」というキャッチフレーズは止して頂きたい。

書道で日展入選を目指して、もし1回入選したら「書」をやった諦めが付くとか、そうでなくとも県展で一生に一度は特選(特別賞)をもらって死にたいと言い残して、遺作が特選だった人など枚挙がない。
書道に命をかけている人にとって、女優・佐久間良子氏の発言は如何に不用意で傷付いたか。
所詮、有名人には「日展」も甘いと思ったのか。
いずれにせよ悪い影響だ。

‥‥‥‥‥‥‥‥
いろいろご指摘がありました。
‥‥‥‥‥‥‥‥
篆刻の吉永隆山先生(現・毎日書道展審査会員)からご指摘があって、佐久間良子氏の入選に関して説明がありました。

「佐久間さんは昭和50年の第7回日展で入選しています。かく言う私も同じ昭和50年の日展で初入選しておりますので、「佐久間良子入選」は記憶があります。
念のため、図録にて確認しましたところ、「佐久間愛子」さんが入選(仮名作品)しています。これが佐久間良子さんの作品のはずです。ちなみに、手島先生は、理事当番審査員ということですので、不確かな記憶ですが、不確かな記憶ですが、独学というより手島先生の手本で(手島先生に師事していた??)「書いた」作品という認識でした。

赤字は、吉永隆山先生による再度の訂正です。(2008/12/19)

‥‥‥‥‥‥‥‥‥
いずれにせよ独学で日展入選したのではない事は違いない事です。

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