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2009年2月23日 (月)

輸出中心のビジネスモデルの日本企業の危うさ

輸出中心のビジネスモデルの日本企業の危うさ

近年、円安バブルの枠組みが外れ輸出中心の企業は何故か国内生産を止めて、海外生産に移行する動きがある。
日産も大衆車部門を海外生産に切り替えると言う報道もある。
「シャープ、液晶パネル中国生産検討 亀山ライン売却案も」
(2009年2月21日朝日新聞Web)と
「シャープは、薄型テレビ向け液晶パネルの生産を海外にシフトする検討を始めた。中国の大手電機メーカー上海広電集団と提携し、中国内で生産する方向で同社と交渉に入っている。」
旧世代の亀山第1工場(三重県亀山市)の、「第6世代」と呼ばれる大型パネル生産ラインを売却し、中国に移転する案も浮上しているという。
ここで言う「第6世代」とは、1500×1850の1枚のマザーガラスから32インチ8面、37インチ6面を切り出すことが出来る生産ラインだ。「第7世代」は、1870×2200(1950×2250)の1枚のマザーガラスから32インチ12面、47インチ6面を取ることが出来るもの。
亀山第2工場で生産している液晶パネルは、「第8世代」2100×2450(2200×2500)‥45インチ8面。
ここで、42型、46型、52型という大型を中心にしている。
大型パネルであるとコストが安くなるとシャープでは説明しているが、「円高が進んでいることや、サムスン電子など韓国、台湾勢との価格競争が強まっていることから、旧世代では海外に生産を移すことが適切だと判断した。」という。

そして、他の報道よれば32、37インチの液晶テレビパネルはこの中国の工場から将来は仕入れるとか書かれていた。
そうすると、シャープは大型液晶テレビか又は、特殊なパネルに特化すると言うことなのだろうか。
しかし、よく考えてみれば分かることは、日本では42型、46型、52型という大型液晶テレビは普及しないかも知れないと言うことだ。
地デジ移行において、未だに半数以上買い換えていない。
買い換えていないというのは、大型テレビを使っていないと言うことに相違ない。
実際のところ、今やマンション暮らしという新たな「ウサギ小屋」生活では37インチが限度で32インチと言うところがベストだろう。
何故なら、32インチで69.8×39.2×80.0 cm(TH-L32X1)実寸法約78cmでいわゆる棚と言われるところに入るのはこのクラスだからである。
37型だと約90cmで棚には入らない。
今電気屋に行くと、実は32インチ以下は低価格レベルの低機能商品である。
価格も10万円以下。
今、地デジに移行しないところというのは、アナログ式ブースターのマンションや電波保証でアナログCATVになっているところ。こんな場所では大型テレビに買い換えるとは考えられない。
大型テレビは映画を見るには良いが、朝からのワイドショーのニュースで男性キャスターの鼻の穴を見ている必要はないのである。
そんな番組を見るというのは、適正な大きさがあって大きくてもワイド32インチが限度だろう。
それなのに、42型、46型、52型という大型液晶テレビを作り続けるというのは、大きな邸宅を想定するからで、どう考えても米国などに輸出する感覚でしかない。
なぜかと言えば、耐久品の消費国は世界に米国と日本ぐらいしかないからだ。
EUは消費国でないし、途上国では高価なテレビは買えない。
いずれ、32インチ程度が日本や途上国の基本サイズになるかも知れない。
そして、その時の液晶テレビパネルは、中国製になるというわけだ。
中国の企業としても、中古の生産ラインを買うと言っても新規に作るのに比べれば、タダ同然だろう。
もしタダより多少高くても、最新のノウハウ技術と継続してのシャープからの改善メンテナンスが得られると言うものだ。

この様な日本でいらなくなった生産ラインを売ったという例は今まで随分とあった。
古くは、東芝かどこかが韓国のSamsonにメモリー生産設備をタダ同然で売った。
その生産設備を元にしてノウハウを学び、新技術を導入して今やSamsonはメモリー生産では一流になった。
同じように、HDDドライブ設備もSamsonが買った。コストがかかっていない設備なら安く売れる。それで逆に日本はやられっぱなしと言うのが現在の状況ではなかったのだろうか。

この分では、いつか日本は液晶パネルの生産を止める日が刻々と近づいている、と思えるのは杞憂だろうか。

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