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2009年5月21日 (木)

日本のマイナス成長の本質を語らぬ新聞社説

日本のマイナス成長の本質を語らぬ新聞社説

2009/05/21の新聞各社の社説は、
日経「戦後最悪の急落後の反転探る日本経済」、
産経「マイナス成長 本格回復につなぐ戦略を」、
朝日「最悪GDP―怖いデフレと失業の連鎖」、
毎日「最悪GDP 家計を元気付ける時だ」、
読売「GDP急減『戦後最悪』を乗り切るには」という見出しを書いているのだが、内容は大なり小なりほとんど同じようなことである。
要するに単なる現状認識だとか、対症療法、日経新聞に至っては、「その大きなカギを握るのは米国経済の動向だ。米国でも最近は明るい経済指標も出始めているが、危機で傷んだ金融機能の回復は道半ばだ。米国向けの輸出が危機前の水準にすぐに戻るとは考えにくい。」と未だに「米国という消費国の藁」にもすがる思いと言うところなのだが、米国は直ぐに頼りにならない。
結局行き着くところは、「政府・日銀は景気下支えのために財政出動や金融緩和を打ち出してきたが、今後も景気動向に応じて機動的に効果のある政策を打ち出すべきだ。」
と日銀の政策を未だに指示するしか思いついていない。

又、読売社説は「海外需要に過度に依存する経済の弱さは今回の世界危機でも経験した。企業設備も外需向けで高い伸びを続けてきた。こうしたことが夢と消えたいま、内需の柱である家計を元気付けること以外に、本質的な経済再生策はない。」
と内需を期待するのだが、今まで内需を喚起できなかった、しなかった理由というものを述べていない。

今回のGDPの落ち込み企業業績の落ち込みに対して大きな要素を持っているのは、依然「金融」であると言うことだろう。損保会社も例の保証証券やらの金融商品を持っていたために一社1,000億円単位の損失を被っている。
一般企業でも本来製造業であるはずのSONYは創業者が引退した後、文系の社長が続いたために技術を軽視して金融に傾倒した。
そのために製造業としてはあり得ないような損失を計上している。
トヨタもトヨタ銀行と言われるような金融と言う側面を持つ。そして製造業としては、ほとんど米国向けと思われる製品志向のものばかり作っていたのではないだろうか。

要するに、バブル崩壊後の日本経済と言うものは、米国のバブル消費を当て込んで、日本の国内で売れるような物ではなかったのではないか。
液晶テレビも大型テレビなどは日本のウサギ小屋だか、鶏小屋には大きすぎる。
そして、トヨタは日本でそこそこの値段で売っていた車種をレクサスブランドに衣替えして値段を高額につり上げた車を売っていた。
本来これは、米国の金融・消費バブルに乗ったものだったはず。

ところがよく見てみれば、最近銀座には欧州のブランドショップや格安衣料品の店ばかりが並んだ。
要するに、日本は未だに米国に次ぐ大消費国であり、且つ高額商品を買える国だと言うことだ。それがなぜ消費低迷なのか。
はっきり言えば、国民の資産が減り続けているからである。
日経社説が書く「政府・日銀は景気下支えのために財政出動や金融緩和を打ち出してきた」と言うものの、バブル以降景気が上がったという認識はない。
リーマンショック以前の一部輸出企業、金融の好景気というものは、「米国の金融バブル」だったことは誰もが認めるところ。
これを持って、「金融政策が功を奏して」一時的に景気が回復したと言う事も言うこともないだろう。
それが「斎藤精一郎氏(NTTデータ経営研究所所長・社会経済学者)」が言う「牛(米国)に引かれての好景気」である。
これが何を示しているのかというと、「政府・日銀は景気下支えのために財政出動や金融緩和を打ち出してきた」と言う非伝統的な手法は失敗し続けていると言う事ではないか。そして最近言う「非伝統的な手法」とは、経済学で想定していないやり方であると言う事だ。即ち、米国経済学を手本にして勉強してきた日銀はいわゆる「思いつき」で行ってしまった経済手法であると言うことだ。
あの「ゼロ金利政策」自体思いつき、未経験だったはずだ。
それでも、日経社説では「帝国軍人参謀」同様、その「日銀のやり方しかない」としか主張する頭がない。
お陰で、日本は米国、EU諸国でさえ発生していないデフレに入ってしまった。

なぜ日本だけがデフレなのか。
誰も経済学者は答えていない。
理由が言えないのか、言っては困るのか‥‥

EUがデフレに陥らないのは、EUは消費国家ではないと言う事が大きな原因であるからであり、その上に日本にない不況も関係ない、消費税もかからない輸出品があるからである。
その輸出品の件に関しては、例えばスウェーデン経済を述べるとき必ず言わず、日本経済、福祉社会の欠陥を主張する。
EUの経済というのは、金融、武器輸出(死の商人)、贅沢ブランド品からなっている。
よくよく見れば、米国も全く同じ構造で金融、武器である。
そして、ほんの少し前は全て高金利だった国々。

日本のように、ゼロ金利、低金利政策による「円輸出」と景気に左右される「民生品」だけを輸出している国は日本くらいしかない。

今後どうするべきか、原因が分かれば何とかなりそうというものだが、それに踏み込めないというのは、政策官僚が既に「社会主義」に傾倒していること。
そして、未だに55年体制を引きずっている政治家の新陳代謝が行われていないという老人政府の体質、老害にある。

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