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2009年7月 2日 (木)

D'Artagnan(ダルタニャン)物語あらすじ その2

D'Artagnan(ダルタニャン)物語

第2部 「二十年後」の背景とあらすじ その2

後にフロンド(Fronde)の乱と称されるフランス全土を、混乱の内戦状態になった出来事がある。
それは、リシュリュー枢機卿が亡くなり5ヶ月後、1643年5月フランス国王ルイ13世が亡くなる。そして、その後のフランスの権力闘争がフロンド(Fronde)の乱であると言える。

そもそもリシュリュー枢機卿は、スペインのスパイと思っていたアンヌ・ドートリッシュに気を許さず、アンヌ・ドートリッシュの追い落としを計っていた。
事実、王妃の側近シュヴルーズ公爵夫人は、スペインとのスパイ行為を見咎められて逃亡する始末。
そのために慧眼なリシュリュー枢機卿は、死後に於いても王妃アンヌ・ドートリッシュにフランスを任せない施策を考えていた。
その施策は、国王ルイ13世はその死を悟ったときに、王国総代官は弟のガストン・ドレルアンとした上で死後の複数摂政体制を宣言したことである。
しかも念の入った通り、複数摂政体制の宣言は高等法院(パルルマンParlement)の高官を王宮に呼び寄せ、王妃アンヌ・ドートリッシュと共に連署させたた上高等法院に登記させたのである。
わかりやすく言えば王妃アンヌ・ドートリッシュは摂政と言いながら摂政会議の1メンバーにすぎない事を宣言させてたのである。

しかし、リシュリュー枢機卿が自分の後釜にとイタリアから呼び寄せた小貴族出身のマザランを国王の死後に摂政の諮問会議メンバー即ち宰相にするときから、色々な問題が噴出してきたのである。
国王ルイ13世崩御後に実は、13世によって追放された人々が戻ってきた。
シュヴルーズ公爵夫人(摂政アンヌ・ドートリッシュの腹心)、マドマモアゼル・ド・オットフォール(ルイ13の元愛妾・摂政の友人)、ラ・ポルト(摂政の侍従)、セヌシー夫人(いずれもスベイン書簡事件の関係者)などである。
そして、マザランと摂政アンヌ・ドートリッシュはただならぬ関係になっていたという。

 パラチナ選帝候妃(当時美女として令名の高かったアンヌ・ド・ゴンザク)の「回想記」では「ついに結婚するところまでいってしまった」と述べている。
但し、マザラン枢機卿は神父・聖職者であり当然結婚出来る関係ではなかったのであるが、サント・オーレール伯爵の「マザラン伝」によれは、大衆世間一般は「摂政と枢機卿との正規な結婚よりも、むしろ両者の愛人関係にたいして、より寛容だった。」ということである。
 即ち「婚姻を秘密にしたのは、スキャンダルの無限な拡大を避けるという政治的な理由によったものである。」尚、晩年摂政は、ヴァンサン・ド・ポール神父(後に聖人に列せられた)とも密接な関係にあった。

その結果として、1643年5月14日国王が崩御すると王妃アンヌ・ドートリッシュはその翌日5月15日(18日という説もあり)高等法院に出向き、親臨法廷で王の遺言(宣言)を取り消しその絶対権力の自由裁量権を宣言したのである。
即ち事実上のクーデターである。
従って、このころのフランスはほとんど無政府状態であった。

しかし、権力を笠に着て金を貯め込んだリシュリュー枢機卿とその金庫番のマザランに対して世間の怨嗟の念は強かった。
その第一段階として・「高等法院」のフロンド(Fronde parlementaire)が起きる。

ここで三銃士の物語に戻ると‥‥

小説「三銃士」では、
1648年8月26日国務会議は、高等法院の有力メンバーの評定官(判事)ブルーセル(Pierre Boroussel・当時72歳・伯爵相当)を逮捕したことからフロンドの乱が始まる。
(本来なら王令により逮捕されることはない…)
………2日後に釈放されるが以後歴史上には登場しない。
そして、およそ5年(1648~53年)にわたる「フロンドの乱」は、この小説「三銃士」では第一段階の「高等法院のフロンド(Fronde Parlementaire)」で終わってしまっている。
その上に、パリ市民に国王の寝姿を見せる行(ぐたり)は第二段階の「貴族のフロンド(Fronde Princie're)」の時期に起きたことである。
この様にして小説では史実のつかみ取り状態になっている。

事実、フロンド乱というのは、多大な混乱状況で一口では言い表せない事が多い。
そして、以前述べたように一兵士に過ぎないダルタニャンは、物語の表舞台には登場しないのである。

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