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2009年9月 1日 (火)

自民党大敗を受けて反省の弁の如何

自民党大敗を受けて反省の弁の如何

30日の選挙の結果は、予想されているとおり自民党は大敗し民主党は300議席の大台に乗せた。
自民党では予想通り70歳を超えた実力者の爺様は軒並み落選。その一方で落選しても良さそうな人物がすれすれ当選したりしている。
一方、民主党では政策議論ではなく単に「民主党」という名前だけで「あれ」と思う人達が当選している。
鳩山代表は、選挙戦になってから「政権交代」としか言わなくなったのに、自民党はネガティプキャンペーンばかり。
ネガティプキャンペーンは、昔から共産主義者やヒットラーなど全体主義者がやる宣伝手法で、自らを「高みに置いて」政策実行側の相手の欠点を指摘する。
ところがこれを元の政権政党が野党にやったら、単なる「マイナス要素」にしかならない。
誰だって、「あんたには言われたくない」と言うものだ。
こんな基本が分かっていないのが今の空気を読めない自民党というものである。
今回の衆議院選は、あの小泉「郵政選挙」の手法をそっくり真似たワンフレーズ選挙だった。
だから今回の選挙を名付ければ小沢「政権交代選挙」と言う事になるだろう。
しかし、小泉「郵政選挙」が郵政民営化とそれに従って財政投融資制度の見直しを目標としたのに対して、今度の「政権交代選挙」では目的がわかりにくい。
何故なら、「政権交代選挙」とのワンフレーズで選挙に勝ってしまえば目的を達成してしまった様なものだからだ。
要は、「政権交代」で何を実行に移すのかと言う事である。
別に民主党が300議席以上取ったからと言って、国民は全幅の信頼を与えているわけではないのは、「民主新政権に「期待しない」半数 若者100人に街角緊急調査」(J-CASTニュースhttp://www.j-cast.com/2009/08/30048466.html)で明らかだ。
「(民主党政権に)『期待する』と回答したのは100人中9人にとどまった。『多少期待する』35人を含め、期待する理由についてはそれほど明確ではなかった。」(同上)

さて、2009年8月31日朝のテレビ朝日で自民党の大敗の原因を分析していた。
出演していた神奈川15区で当選した河野太郎氏は、「自民党は、自由経済的な小さな政府と言いながら、社会主義的な大きな政府の政策をしてしまった。」という様なことを言っていた。
自民党というのは、保守政党と言いながら保守派からかなり戦後民主主義的な左派の人達の寄せ集め。保守派の右に寄ったと思うと左翼バネが働いて大きく揺れ戻す。
小泉内閣の構造改革で、右に多少旋回して小さな政府と政治の官僚支配の脱却を目指し、安倍政権では官僚の左翼バネが多少押し戻し、保守回帰には産経新聞以外のマスコミが総攻撃した。
そこで自民党の中での左翼バネが大きく働いて福田政権を作り、麻生政権となった。
福田政権では、今の民主党が言っているような「靖国神社に参拝しない」とか「靖国神社に代わる施設」だとか、女性天皇の容認論とか今の民主党と全く変わらない議論だった。
麻生政権では、公務員改革が事実上頓挫し安倍政権の置き土産も店ざらしになった。
その上、麻生首相は福田元首相と同じように靖国神社に参拝しないと言う姿勢。

自民党は、保守政党と言いながら小泉政権で一端は戦後体制からの脱却を図りながら、結局元の官僚管理政治に戻ってしまった。
結果として今回、時代の歯車は今の自民党の政策を否定した。
自民党の政策というものは、実は「反動政治(時代の流れに逆らった政治)」であって、逆に政治の官僚支配から脱する・脱官僚という政策を打ち立てた民主党は時代の流れに乗った。
これが、永田町の論理と国民の論理との差。
そして、年寄りの財界人(郵政関係は全て70歳以上)と自民党の年寄りの重鎮達でお手盛りで上手くやってきたのが今の自民党だと思われている。
独立後だと57年、そんなにも経って未だに戦後民主主義から脱却できないというのは、今の自民党の老害議員や過去官僚議員の責任だと思われている。
自民党は、結党時の目標として占領憲法である現憲法を改正するという目的を持っていた。ところが、吉田茂の子孫である麻生首相は、安倍政権で作り上げた憲法改正に向けたことすらしていない。
国民の目から見れば、麻生首相は目的を持って(何かやりたくて)首相になったのではなく、単に首相になりたかっただけだと言う事がよく分かる。
何故なら、奇しくも1993年(平成5年)かって自民党を大敗に招き、自民党が野党に下野することになった選挙の時の首相・宮沢喜一氏と同じ感覚の持ち主だったからだ。
その宮沢氏の「総理大臣は大船の船長のようなものだと思った。」と言った(新聞に掲載)いう政治感覚と同じものだろう。
そして、その宮沢喜一元総理と同じように自民党を大敗に招いた自民党総理総裁という「歴史」に名を連ねることになった。

元の「テレビ朝日・朝の番組で自民党の大敗の原因」に戻ると、鳥取1区で当選した石破茂農相が「小泉改革で郵政や農村部の組織を潰してしまったから大敗した」とあれれ、と思うことを言った。
この人は、どう考えても大分ずれている。
もしそうであるならば、そう言う組織のない都市部では元々関係ないではないか。
そして、そんなことは選挙を戦う前に分かっていたこと。しかも、そう言う自民党の利権団体というのは公共事業減少で機能しなくなっただけでなく、自民党の利権が絡む猫の目農林行政が嫌われている。
しかも、今は民主党と自民党とは同じ土俵で戦っている。
元々、自民党内で大きな政府の社会主義に賛同する左派に分類される石破茂農相。
自民党の国民から遊離した政策の欠点というものが理解できなかったようだ。

文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」では、特別にコメンテーターとして森永卓郎氏が民主党が勝った理由は、「小泉構造改革路線が否定されたからだ」と述べたが、大竹まこと氏、阿川佐和子氏など一様に納得しなかった。
何故なら、「官僚支配の行政改革」を目指した「みんなの党」(渡辺喜美代表・「脱官僚」「地域主権」「生活重視」で国民の手に政治を奪還する!)が300万票も獲得し5議席、比例単独候補を、もし立てていれば7議席獲得していたと言う結果が出からだ。

自民党は、歴史の流れに逆らって宮沢政権型の従来の自民党に戻り、官僚を使いこなすと言いながら政治からの「脱官僚」を目指さなかった。
そして、「脱官僚」を目指さないと思われたのが、70歳以上の当選回数の多い議員だったり、若くても「官僚臭」のする「過去官僚」だった。当然落選。

麻生総理は、首相会見の中で「‥‥(敗因は)社会の閉塞(へいそく)感、格差など社会問題への不満、それらに効果的に対応できない自民党政治への不満があった。私自身への批判があったことは承知している。」と述べている。
しかし、自民党をして日本どの様な国へ持っていこうと考えていたのか何も述べていない。安倍元首相は、「戦後レジーム(体制)からの脱却」だった。そして、小泉政権は、「郵政民営化」だったが、以前から自民党が少しでも成し遂げようとしたのは行政改革による行政のスリム化と脱官僚だった。
「郵政民営化」と言うのも郵貯の財政投融資は第二の国家予算となって官僚の好き勝手にされていた。その脱官僚だったはずなのである。
この脱官僚というのが自民党の延々たる流れ。そして、脱官僚と憲法改正という事を自民党が忘れた時、不思議と自民党の大敗北が来る。
歴史というものは、実に面白いものなのである。

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