やらせ政治ショーだった「事業仕分け」?
やらせ政治ショーだった「事業仕分け」?
今回終了した「事業仕分け」で捻出されたのはかけ声から遠く離れ1兆円にも達しなかった。約1.8兆円になったのはうちの約1兆円分は「独立行政法人や公益法人が抱える基金に国庫返納」であって、「事業仕分け」で無駄をひねり出したものではない。
ここで第一に疑問に思うのは、どういう理由でその「事業仕分け」分野が選ばれたのかと言う事もある。読売新聞社説(2009/11/28)では「仕分けの対象とされたテーマに疑問を呈する声も多かった。」とあるように防衛問題などの政治理念に関わることなどもある。
「在日米軍に対する「思いやり予算」や対外援助、地方交付税、科学技術振興関連などだ。(前同)」
ことは財務省が想定問答集まで作ってお膳立てをした事が分かっているが、自衛隊の件などは財務省が元々思想的に予算を減らしたいと言うのがそのまま出てしまった感が強い。
今度の衆議院選挙で落選した舛添要一参議院議員の元女房殿(片山さつき氏)が、女性主計官第一号の時に自衛隊に下した理不尽な削減というのは歴史に残っている。(自衛隊正面装備削減に尽力・「潜水艦は時代遅れの兵器」査定・提供:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
そこでもう一つの疑問点というのは、元々3兆円削減という目標を立てて「基金の国庫返納」というのは分かっていたとしても、どのくらいのものを査定したのかと言うことである。
こういう査定というものは、元々10兆円くらいも元のものがあって、そこから不要不急と思われるものを2兆円削減するというのならば、軒並み削減と言うことでにはならない。
ところが、どうもその様になっていないというのは項目が少なすぎる。
予め3兆円まで行かないと想定して始めたのなら国民対する詐欺だろう。
その上、どうでも良いような費用ではなくどちらかと言うと必要有用と思われる予算を削減するというのは「元々削減ありき」としか見えない。
問題視されていた国連大学への拠出金など何も精査されないというのは、小沢代表の国連中心主義に絡むのか疑問とは散々言われていることだ。
又、何と言っても、補助金として特殊法人に流れている金は12兆円あると言われていたし、某大臣は金は絞ればいくらでも出で来ると言ったような。
「高橋洋一の民主党ウォッチ・事業仕分けの限界 埋蔵金まだまだある」によると
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
12兆円の基金生かせ
‥‥‥前文‥‥略
事業仕分けの限界を認識すべきだ。予算には、事業系と制度モノという2種類がある。
事業系予算は、誰にもわかりやすいので、事業仕分けに適切だ。
むしろ、こうした事業系予算は地方政府でやるべきものが多く、国がこんな事業までやっているのかと驚くばかりだ。
‥‥中略‥‥
次に、雇用保険の見直しで厚労省は2681億円の概算要求をしている。これは仕分け対象ではないが、雇用保険を保険としてきちんと計算すれば、これまで保険料が高すぎたために、私の計算では4兆円程度の埋蔵金がある。
これが厚労省の天下り団体資金になっているのだが、こうした制度を専門家が見直せば、2681億円の要求は不要である。
さらに、事業仕分け会場の印刷局市ヶ谷センターは、これも仕分け対象ではない。
この施設は既に2年前に売却方針が決まっている。
印刷局は、大手町や虎ノ門等の一等地にも遊休資産を抱えている。政府方針が決まっても、まだ検討中とかでなかなか動かない。
それらは 2000億円以上になるが、独法通則法などが不備なので、全額国庫納付できない状態だ。こうした制度をすぐ直すべきだ。
最後に、現時点で、来2010年度予算総額が92兆円、税収見通しが37兆円といわれ、このままでは国債発行額が55兆円にもなると言われている。ところが、国債整理基金特別会計には昨年度末で12兆円の基金がある!
諸外国ではこうした基金は存在しないので、これを使えば、国債発行額は43兆円になる。さらに、特別会計の埋蔵金や余剰金をかき集めれば、4兆円くらいはなんとかできる。となると、来年度の国債発行額は40兆円を切ることができる。
‥‥後略‥‥‥
細かい制度上の事は専門家に任せるとしても、高橋洋一氏の別の埋蔵金というものは一度限りのものが多い。
いずれにせよ、予算編成に於いて元のシーリングを外しておいて増額要求させて、削減に入らなかった部分で多くなっていれば何の意味もない。
そして、大きく削減されなかったのはこれだけ大々的にやったのに「税が足りない」という増税議論だという話しもある。
ところが、あの橋本政権の時、巨大な公共投資によって景気が一時的に回復したのを見計らって、消費税を増税した。
結果は、大不況に襲われで二段底、三段底になり山一証券、三洋証券、北海道拓殖銀行などが潰れ金融不安になったのは今でも記憶にあたらしい。
増税したのに逆に減収し、長期デフレを招いたというのは笑えない事実である。
いずれにせよ、今の政府は日本をどの様な状態に持って行くのか全く不明である。
自衛隊の制服に関して蓮舫参院議員が
「素材の機密性のある戦闘服などを除けば、国内縫製の条件にする必要はないのではないか。安価な輸入品も検討してみては・備品と被服は『予算削減』のジャッジ。」と笑えるものがあった。
何故なら、「正論」2010年1月号「NHKウォッチング」・「『坂の上の雲』裏話あれこれ」に軍服を安い中国で試作したら「縫ひ目、ボタン、フックの位置等が指定通りに縫製されず(原文旧仮名遣い)」使い物にならなかったという。
そうしてもう一つ思い浮かべることは、「軍事物資」と言うものは基本的に国産であることである。
なんでも安いものなら中国から輸入すればよいと言うような、今の「デフレ」の原因を象徴する言動はどう考えても日本の国を良くしたいという感覚に欠ける。
よく皇族無用論などを吐く人達がいたりする。しかし、皇族というのは正に「ノブレス・オブリージュ」を実践する人達である。
それは、高くても必ず国産品を買う人達であると思っていたが、ある芸術関係の人の話を聞くと、若く無名な芸術家のパトロンになったりしている。
日本の古典芸術の維持と芸術の振興を旨とするというのは、日々の生活に汲々としている我々には想像も付かないところがある。
以前「ヒルズ族」という新興金持ちが、単に成金趣味で贅沢をしていたというのは何も役に立たないものだった。
そして、「蓮舫議員 本を巡り娘と『事業仕分け』バトル」 (2009/11/28 15:27・ J-CASTニュース)では、
「買わないで図書館で借りればいいのでは?」(「twitter(ツイッター)」)と娘に諭したと言う話しがあった。
こんな事では、消費は削減されて益々デフレになると言うのは、国会議員からしてこれだからとあきれるものである。
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