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2010年5月19日 (水)

佐伯啓思・「保守」が「戦後」を超克するすべはあるのか・を読む 5

佐伯啓思・「保守」が「戦後」を超克するすべはあるのか・を読む 5

雑誌正論6月号、「佐伯啓思・『保守』が『戦後』を超克するすべはあるのか」という記事がある。寄稿しているのは、京都大学大学院教授・佐伯啓思。
冒頭の中見出しは、「『保守』という立場の困難さ」で、前回4までで佐伯啓思流の保守の定義を堂々巡りで紹介してきた。
佐伯啓思の保守の定義とは何かというのが、結局単なる状況説明に終始してますます漠然として結論得ないうちに、はぐらかされたという気分がしている。
そして、今度は
「『保守の精神』とは何か」と副題をだしている。
読む方としては、一応の結論のように5ページも費やしたのにまたも元に戻って、「保守の精神」という。実際何を考えているのかと思えば「保守」という言葉とその保守主義に反発しているしか思えないのである。
そこで述べようとしているのは、先ず歴史的な(英国)エドモンド・バークの思想を紹介する。バークの「反大革命(フランス革命)」に対する反発として、バークの思想は「進歩主義」への批判としていると言うことから始めて的外れな「保守の精神」を説明している。そして続く説明はこの保守の精神が絡む日本の歴史というものに言及する。
ここで説明するのは、前の5ページで述べたような単純には「反共が保守の意味」と見なされたと元の説明に戻る。
次には、米国の進歩主義を論じ、

もっとも警戒すべきはアメリカ流の『進歩主義』」と主張する。そしてその保守主義は『本来のイギリス流の保守主義』とはかなり異なっている。

として、米英の保守主義の違いをアメリカ独立戦争の精神への帰結に由来するとする。
要するに、「アメリカの建国にはすでに『進歩主義』の理念が色濃く刻印されており、この精神に立ち戻るという‥‥」延々と説明する。
感想として言えば、佐伯啓思先生の保守精神というのは、何かずれている。そして、思うのは状況説明なのかその言葉を定義しているかさっぱり分からない事である。
それどころが、一旦説明したことをもう一度ひっくり返して議論をやり直すという文章で、兎に角、統一性がない。
そして、また元の戻って、日本の保守主義の説明は、
GHQの占領下にあったために

アメリカ流の保守主義をいわゆる『保守』とみなした。しかも冷戦体制下でアメリカ側につくことが『保守』の役割とみなされた。

さあ、ここでまた佐伯啓思先生は、自己の世界の自己弁護が始まった。
ここで述べられていることも、前項目で述べられていたことの蒸し返し。
次に一転して、日本の保守に関して述べ出す。
大上段に振りかぶったのは「日本とは何か」と言い、日本の歴史観などを述べるかと思えばそうではない。
そして、その問いかけに対してこう述べるの留まる。
この問いに対してあまりに単純で明快な答えを与えることは出来ないし、そうすべきでもない。
そうであるならば、今まで延々と述べてきた「保守論」とは何だったのかである。
続けて言い訳のように書く
しかし、そのような問いを発することなくして『日本の保守的精神』を唱えることはできないのである。
結局、佐伯啓思先生は、9ページも使って保守を定義できなかった。
論点はまだ少し続くが、保守の論点をこんな程度にしか説明出来ないと言うのは、やはり日本の知識人というのは何か抜けている。
簡単に言えば、生活感がない。
佐伯啓思先生は、米国の保守には「進歩主義」が入っていて、この進歩主義の倒錯が「イラク戦争や対テロ戦争を立案した『ネオコン(新保守主義)』の論理であった。」と主張する。
そうは言うものの、米国で常に変わらないものは何か考えたことがあるのかと問いたい。
その問いに答えることかできなければ、米国を単なる進歩主義の国と決めつけることはできないだろう。
確かに、米国はイギリスから独立した。これを「英国伝統的国家体制への反逆であり、王権の国から分離独立であることに留意すれば‥‥」と述べるが、そんな独立戦争時代の思想というものはWASPまでのこと。
しかも、その独立戦争を支援したのが、フランス絶対王政のブルボン王朝ルイ16世であり、そのフランスの海軍力その他の助力がなくて独立戦争は勝ち得なかった。
アメリカにフランスが送った自由の女神像は、ダテに建っているのではないことを思うべきである。

そして、まだまだ堂々巡りの保守議論は続く。
宜い加減にしてよね。

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