前代未聞・第15回高大展不正見つかる・全作失格
前代未聞・第15回高大展不正見つかる・全作失格
読売新聞Webに「全日本書道展に不正出品、大分高を失格に」と言う記事があった。
記事の内容は、
「同校からは2487点の応募があり、今年7月の予備審査で、篆刻(てんこく)の部で同じ印章が複数の作品に使われていたことなどが判明したという。」
ことで詳細は分からない。
日本書芸院、読売新聞社主催の「第15回全日本高校・大学生書道展」というのは、要するに読売書法展の関係であって、毎日書道展の関係は通称「書の甲子園」・「国際高校生選抜書展」と言って今年で18回を数える。
関西で行われる毎日の高校生書道展に対抗して開催されているのが、この「全日本高校・大学生書道展」といういわば因縁付きの書道展であると言える。
ここで注意しておきたいのは、読売系が大学まで含めているのにたいして、毎日系は高校生対象。
18歳以上は共に本展の読売書法展、毎日書道展に出品可能となっている。
そこで高校生や大学生の書道展出品料はどうなっているのかというと、こういう学生展は共に無料。
一方、読売書法展は年齢関係なく14,000円。毎日書道展はU23と言う分野で出品できて5,000円。
毎日のU23だと一般公募とは別審査、別の賞になるのだが、規定を読む限り入賞は「入賞カウント」としてカウントされるようなのでかなり有利なものなのである。
こういう事を見ると、大学生が出品してもあまりメリットを見いだせない「全日本高校・大学生書道展」と言うことになる。
従い、大量作品を出品できる高校などがメインというものだろう。しかも多く出しても出品料は無料なのだから。
それで今度の不祥事。
そのまま読めば、篆刻の作品で同じ印章を複数の名前で出品したと言うことであろう。
しかし、高校生の臨書や篆刻と言うものは、臨書は一年間同じものを「反吐が出るくらい」書くという。
それで書道が嫌いになって、大学では書道など二度とやりたくないという学生が多いと言うからこういう書展というのは功罪が多い。
そして、その篆刻なら、見本の篆刻作品をまねる、即ち模刻、そっくりそのまま刻すと言うことが行われる可能性もあるというもの。
そうだとすると、全くそっくりなものが複数出でも不思議はない。それが同じものだったとは苦笑せざる終えないが、多分元の印もほとんど同じだったのかも知れない。
それで分からないから良い方の印章を使ったか、真実は良く分からないと言うのが本当だろう。
いずれにせよ大量に出品すれば、良い賞がもらえる。こういう書道展の体質を表した事件と言えるだろう。多分、大分高はもう高大展には出品することはないかも知れない。
いっそのこと、よりダイナミックで模刻など許されない毎日系の書の甲子園に代えれば問題はないとはいうものの、教師が読売系ならどうしようもないというものである。
毎日新聞の詳細が出ていた。
「日本書芸院によると、不正が見つかったのは、同展の4部門のうち篆刻(てんこく)の部。出品した247点のほとんどを、複数の篆刻を組み合わせて一つの作品のように偽装していたという。同高によると、実際に彫ったのは40点だけだったという。」
普通はこんなことはしないだろうねぇ~~
ホントびっくり。
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