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2010年11月21日 (日)

その2映画ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1を見ての感想

その2映画ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1を見ての感想

映画ハリー・ポッターと死の秘宝パート1。これは小説のダイジェスト版の様な感じだと書いたのだが、小説から逸脱してしまっている部分も多い。
従って、映画を見る前にもう一度小説をお復習(おさら)いしておかないと「何だったけ」と展開が分からなくなるかも知れない。
たとえば第16章のGodric's Hollow(ゴドリックの谷)では、ハリーとハーマイオニーはマグルの夫婦に変身し、雪についた足跡さえ消して用心する。小説でも少しおどろおどろしい夜のシーン。ところがここで映画では変身させない。
しかし、変身させないと物語の辻褄が逢わない部分が出てくる。
ここで変身させなかったのは、どうしても変身させなければならなかった魔法省への潜入シーンのためだろう。
そこでは余りに早く簡単に進行しすぎた上に、変身してハリーとハーマイオニーとロンではなかったために物語が余計分かりにくくなったという結果が生じた。
丁寧に描写すれば問題はなかった様だが、こうも早く詳細を抜かれるとやはり分かりにくい。
後半の部分でも説明不足が顕著だから、前半の静の部分の文脈が大幅カットは余計に良く分からない展開になった。
テント生活でロンがラジオ放送を聞くシーンがある。
小説を読んでいればデスイーターに乗っ取られた魔法省に対するレジスタンスが結成されたことが分かる。
映画では、単純にこの説明がないからさっぱり分からない。
第21章 The Tail of the Three Brothersの部分では、映画では物語をアニメで示してこれは結構分かりやすい。
原書だとこの部分である。
以前エントリーで述べた様に‥‥
(英国版原書p331)
So the oldest brother who was a combative man,asked for a wand more powerful than any in existence: a wand that must always win duels for its owner,a wand worthy of a wizard who had conquered Death!So Death crossed to an elder tree on the banks of the river fashioned a wand from a branch that hung there,and gave it to the oldest brother.  ‥‥‥‥
分かりやすくするために、なるべく直訳で訳してみると‥‥‥
「それで、闘争的であった一番上の兄は、存在するどんな魔法の杖よりもいっそうパワフルな魔法の杖を求めた。
常に、その所有者のために決闘で勝たなくてはならない魔法の杖。
「死神」を征服した魔法使いにふさわしい魔法の杖!
それで、「死神」は川の土手のニワトコの木に行って、そこに下がっていた枝から魔法の杖を作って、最年長の兄に与えた。」

静山社の訳では相変わらず「Death」を「死」と訳していたが、やはり映画通り「死神」が正しい。

それにしてもジニー(ロンの妹)の部屋で、ジニーとハリーのラブシーンは映画では入れて欲しかった。
言葉だけでシーンが小説にないハーマイオニーとその両親との別れは映像で映されていた一方、ハリーの別れというのがない。
こういう伏線がないと絶望と不安の元、放浪するその後の展開が伝わってこない。

パート2では実際どこから始まるのか、簡単に第25章 Shell Cottage(シェル コッテージ)で説明して一挙に第26章Gringottsに進むしかないだろう。
何やら先が見えてきたような感じだが、又パート2が2時間10程度だったら映画は見るだろうが、大して期待出来そうもないと言うものである。

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