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2010年12月 5日 (日)

NHK版「坂の上の雲」第2部やはり日本軽視だった

NHK版「坂の上の雲」第2部やはり日本軽視だった

NHK版「坂の上の雲」第2部第6回日英同盟
NHKが日英同盟と北清事変をどの様に説明するのか、描くのかと言うことが注目されたのが今回。
断っておくと、NHK版「坂の上の雲」は、司馬遼太郎の「坂の上の雲」ではない。
共通しているのは、登場人物と歴史的な筋だけである。
だから、広瀬大尉とアリアズナの話など司馬版では出てこないし、アリアズナ自体、史実でも誰だか確定されていないし直接そう言う人物はいない。
従って、広瀬大尉とアリアズナとの話はNHKの創作と言うことである。
その北清事変、別名義和団事件についてこんなナレーションがある。
「日露両国が最も人数が多く主力をなした。」
そんな話は聞いたことがないと言うより史実に反している。ロシアは確かに人数が多かったが、略奪に忙しく北京解放には間に合わなかったのである。
この北清事変に関して日本は軍隊を出し渋っていた為に一番後から参戦し、最初に北京に到着した言うことは明らかに無視している。
そして、その日本軍の参戦を強力に求めたのが英国であることも無視している。
それを補強するために、映像で秋山好古の部隊がロシア軍が略奪しているところを通過する場面が出で来る。
これだけを見ると北京解放後、ロシア軍の後から日本軍が到着したように見える。
しかも、事実上の戦争だというのに住民が逃げずに略奪を受けているのは不思議な光景である。
中国というのは、有史以来極めて戦争慣れしている国民である。
軍隊が来れば持って逃げられない本当に大事な物は、壁に埋め込んだり地中に埋めるのは常識でほとんど逃げてしまうから誰もいない。
従って、略奪というのが堂々又ラクラクと出来るのである。
そして、柴五郎という重要人物を登場させないと言うのも司馬版「坂の上の雲」に従ったと言う言い訳も考えられるもののNHKの意図がありそうである。
NHKはどうも日本の功績とその軍隊の規律の高さ、そして英国との絡みが日英同盟に繋がると説明したくなかったようである。
なぜなら、日英同盟を結ぶにあたり中々難航していた時、伊藤博文がロシアと接触するという揺さぶりのために締結にこぎ着けたという司馬版にある日英同盟の真の部分を一切描いていない。
NHK版の「坂の上の雲」では、ロシアが北清事変以降撤退せず居座りつつけて英国では香港、日本では朝鮮半島の権益が危うくなった背景もはっきりしない。
しかも北京議定書は説明されていない。
この北京議定書の内容を説明してしまうと、NHKとしては都合か悪いと言うものだろう。

「清国で義和団が蜂起、各地で外国人が襲われ、鉄道や外国商社、電信所が襲撃される。北清事変のぼっ発だ。8か国が連合軍を組織し、北京在住の外国人救援に向かう。騎兵大佐の好古(阿部寛)も北京に出征する。しかし、同じ連合軍のロシア兵たちが市街地で略奪をする光景を目の当たりにする。(NHK坂の上の雲 あらすじ)」

それにしても、ロシア貴族がロシア語を話すのは非常に「違和感がありすぎ」なのではなかろうか。
特にロシア貴族の公用語のフランス語をロシア皇帝が使わ無いと言うのもあり得ない。
ロシア語というのは、ロシアの庶民が使う言葉で「下品な言葉」として蔑みられているワケだから、ロシア貴族の娘(17歳)であるアリアズナが使うと言うのも又下品というものだろう。
史実の様に、ロシア貴族が全てフランス語を話している情景を見れば、ロシア公債がフランスでよく売れたことも分かるはずなのである。
そして、これはNHKのミスなのだろうが広瀬少佐(進級)が小村寿太郎との対談で中佐の階級章をつけていたのには笑った。後のシーンは全て少佐だったが。
広瀬少佐というのは、司馬版「坂の上の雲」では余り登場しない人物なのでいろいろと妙な事が多いし、行動そのものが良く分かっていない部分が多い。

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コメント

>そして、これはNHKのミスなのだろうが広瀬少佐(進級)が小村寿太郎との対談で中佐の階級章をつけていたのには笑った。後のシーンは全て少佐だったが。

「小村寿太郎」との対談ではなく、「伊藤博文」とも対話場面です。
この場面での金線3本の階級章は、当時の少佐の階級章で、正しい階級章です。
以後の場面で出てくる金線2本に細線1本の階級章は、明治40年以降の「少佐」階級章で、
これがNHKのミスです。

投稿: 野尻 勝馬 | 2010年12月11日 (土) 16時18分


なるほど勉強になりました。

ペリーは、提督などと言われていますが、これは精々戦隊司令官で不思議と3本線です。
元々軍人階級というのは、少佐、中佐というのはありませんからね。
士官候補生‥‥少尉相当
ルーテナント‥‥中尉相当(1-2-3-4‥‥)
ナンバーワン‥‥大尉相当
コマンダー‥‥少佐相当
キャプテン‥‥大佐相当
戦隊司令官‥‥准将相当
アドミラル‥‥将軍

尚、ペリーの時代将軍という階級はなかったといいますねぇ。 

投稿: 管理人 | 2010年12月11日 (土) 17時12分

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