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2011年9月25日 (日)

(社)群馬県書道協会研修会 源川彦峰先生の講演を聴いて(再)

(社)群馬県書道協会研修会 源川彦峰先生の講演を聴いて

平成23年9月11日前橋商工会議所において、二松学舎大学教授・源川彦峰先生の講演が行われた。演題は「詞、書、画、印、表具の新しい提案」
この演目を見て講演の前は何を講演するのかと漠然な思いもあって参加した。
尚、この感想は、源川彦峰先生が話さなかったことも書いてある。

参加者は、前掲のように主催者側発表で200人超であった。
この講演の冒頭は、高崎市(旧吉井町)のある多胡碑に言及して、多胡という地名が万葉集に二首出でいることを示した。

我が恋は まさかもかなし 草枕 多胡の入野の 奥もかなしも
                         東歌・上野国歌(巻14・3403)
     (私の恋は今もかなしい 草を枕の 多胡の入野の行く末もかなしい)

多胡の嶺に寄せ綱延へて寄すれどもあにくやしづしその顔よきに
                             東歌・上野国歌(巻14・3411)
ここのところまでは、多胡碑記念館の学芸員の研究者も知っていたと言うのだが、先生はこのほかに多胡に関してもう一首あると新たなる歌を示した。

鈴が音の早馬駅家の堤井の水を給へな妹が直手よ
                             東歌・上野国歌(巻14・3439)

この辺のことは、多胡碑記念館に行って「羊」に関するパンフを見た事があったと記憶するものの興味がなかったのか全く覚えていない。
ここで源川彦峰先生が万葉集の説明で駅制について多少触れたので、説明してみる。
詳細その他の考察は、「多胡碑の推論2」に書く予定であるのでそちらに譲る。

この当時、大宝元年(701)の大宝律令によって駅制が引かれ、馬による情報伝達兼軍事道路というのが整備された。多胡碑に関わるものとしては「東山道駅路」である。
この駅路というのには、約30里・16キロごとに駅という中継所が設けられている。東山道駅路の多胡郡周辺では、「坂本駅」、「野後駅」、「群馬駅」、「佐位駅」、「新田駅」と言うように群馬県を縦断するような駅が設けられていた。

ここで「鈴が音」(馬駅の鈴)に関しては源川先生が「駅鈴」の現物と思われるもの見せてくれてなるほどと思わせるものがあった。又、先生は、「馬に乗れるのは国司だけ」と言われた。
そして、「羊」(多胡碑を作らせた主)は一日で京都まで往復したと述べられた。
実際、この歌の馬の乗り手が「羊」であるかどうかは分からないが、何やら「羊」である様な感じがする。

歌の内容は、よく知られているように
「鈴の音が高らかに響く(官)馬に乗って、駅につくと綺麗なお姉さんがいたので、水を手ずから頂けませんか」と言うような意味。
馬の主は、高貴な貴族かお役人なので、何やら後年の太閤秀吉と石田三成の出会いの逸話に似ていなくもない。(筆者解説)

こんなふうな前段で源川彦峰先生の講演は進んでゆくものの、種々「目から鱗」とは先生は言わず「目からコンタクト」と言っても「シジ・ババ」が聴衆なので誰も笑わずという具合と思えば会場の雰囲気は良く分かると言うものである。

先生の講演では、「現代の作品に思う」と言う項目を一番に書かれている。
現代の書芸術は単なるカーボンコピーの展覧会となり果て、平成時代の現代から遊離していると主張する。
以後、伝統書を継承する人たち、又師匠の書のみしか見ない書家たちなどには耳の痛い話ばかり続き、最後に源川彦峰先生自身の作品解説とその意図。

そして、最後にYouTube動画のような席上揮毫。
このうち3点は、講習会資料の番号による抽選が行われた。

多摩大学情報社会学研究所所長・公文俊平先生は、書道の伝統書というのは「過去準拠型の中国宗教文明」であると言い切ってしまっている。

この講演において、非漢字圏での展覧会でのこと。
「書道展の作品をそのままに海外に持ち出して、そこに狩り出された外交官の奥様方に『ワンダフル』と評価されたと言うお話」
この「ワンダフル」とは、「わかりません」というのが本当であるという。
「Happiness」とか「lovely」とか‥というのが本当の評だそうである。
常識的には、ここで「大笑い」と言うのが話の筋だが、誰も反応せずというものであった。
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