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2014年10月 8日 (水)

淡墨の作り方と宿墨のいろいろ

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★最近の淡墨、「古墨風の色合いが出る墨」の実情

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最近の書道展を見ているとその昔に比べて淡墨作品が多くなった。
淡墨と言っても単に青墨を薄めて書いているのではなく、筆の通ったところに芯がある古墨風というのがミソである。
この古墨風の墨というのは、本物の古墨を使うか又は、昔から宿墨にして作られていた。
しかしながら、この古墨風なにじみと筆の穂先が通った実線の部分を表現するのが難しかった。
こういう宿墨は、師承の横堀艸風先生が作品として表現していてどの様に作るのか、何となく聞きかじって散々実験してみると言うものであった。
だから、その宿墨というものは作る人によって墨色、にじみなど全く違い、個性があった。
それがある展覧会では、ほとんど同じ色、同じにじみの作品を見かけるようになった。
しかも、紙は真っ白で真新しく、「黄色い輪」のようなにじみも見られないものも多い。
その後に東京都美術館で開催されていた書道展を観覧した折に、展覧会会場に出展していた「書道用品屋」で古墨風の色合いが出る墨が売っていた。
そのほかには、「にじむ墨」と「にじまない墨」を混ぜ合わせると古墨風になるという二種類の墨を紹介してくれた。
いずれも「福沢さん」1枚は飛ぶ価格でどうしたものかと思っていた。
それが最近になって検索してみたら、2008年頃のWebサイトに簡易的な古墨風の淡墨の作り方が出ていた。
その方法の例がこの「にじむ墨」と「にじまない墨」を混ぜ合わせると言うものだった。
そういう方法には無頓着だったが、社中の物知りに聴いてみると結構昔から使っている場合があるという。
但し、その「古墨風の色合いが出る墨」は宿墨にすると全く使えず、擦って直ぐに使うのだそうな。


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そんなわけで、つい最近の書道展でもこういう「綺麗な色の」古墨風の墨を使った作品を見ることになった。
それで、この「古墨風の墨を使った作品」が宿墨から作ったのか、そうでないのかは蛍光灯の室内では全く分からない。
その墨色を見て、それが分からず「凄い」と言っている先生がいるから世の中すえである。

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★柊雲の淡墨・宿墨とは

それでは、柊雲もこの「古墨風の色合いが出る墨」を使ってしまえば簡単と思うかもしれない。
しかし、作品表現の仕方から言えばこの出来合の古墨風墨では色、にじみが出せないのである。
端的に言えば、「出来合の古墨風墨」ではにじみが余り出ない傾向が強い。
それは、元々は墨ではなく、顔料主体で出来ているのでそういう傾向にあると思われる。
だから、墨の力としてはかなり弱い。
艸玄会(会長・柊雲)では、横堀艸風の書風を継承すると言う意味合いもあり、昨年研究会をおこなった。
ここでは、30年に亘って研究してきた墨の作り方のノウハウを完全に披露した。それで昨年の作品から濃墨から淡墨へ移った人も多い。
今の世界、濃墨と言って固形墨を擦る人などはいない。皆墨液である。
この墨液には、ピンキリがあって固形墨を摺り下ろしたものから訳の分からないものまで。
こういう墨液には、膠(にかわ)の代わりに合成接着剤が使われているものもあって、酢(酢酸ビニル)の臭いがしたりする。
だから乾くとプラスチックの塊になったりする。
要するに墨液からで出来ないので、墨を摺り下ろして作ることになる。
柊雲の場合、30年ほど経った墨が山のようにあるので、このままだといずれゴミになると思い磨り潰すことにしている。
この宿墨での墨作りというのは、「春墨」「秋墨」「冬墨」と言って作る季節によって多少出来方が違う。
それも作り方により、にじみが多く出たり、出なかったりすることもある。
そのときの環境に影響されるので、作るのには早くて2週間、通常1か月、うまくゆかないと2-3か月かかる。
これも作り方を知っている場合で、そうでないときは1年経ってもできないと言うこともある。

 墨の変化は、墨を落とした20年ものの二双紙を見ればよく分かるように、1週間でにじみや墨色が変化してしまう。
こんなところが、「出来合の古墨風墨」では真似のできないところである。

 

こうして出来上がった宿墨も作品として仕上げるときには大量に使う。
するとにじみも変化するのでにじみは書いてみないと分からないことも多い。
いずれにせよ、にじみは墨と紙との相性なので「出来合の古墨風墨」ではできない相談なのである。

  

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