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2016年12月 1日 (木)

「Fランク化する大学」音真司(著)小学館新書を読んでみた

F1


産経新聞の【エンタメよもやま話】というコーナーで紹介されていたのが音真司(著)「Fランク化する大学」(11月18日) 。
どうせたいしたことはないだろうと思っていたら、本当にたいしたことはなかったという感想である。
表題も「Fランク化する大学」ではなく、「Fランクの大学、非常勤講師のたわごと」と言うのが正しい。
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著者の履歴によると
「神奈川県出身、明治大学政経学部を卒業後、東証一部上場の商社に入社。営業部長や事業企画室長などを歴任。」
商社在職中より都内の大学院に通い、退職して博士号を取得後3つの大学で5年間非常勤講師として教鞭を執る。
2016年3月教職を辞し、企業コンサルティングとして独立。
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ここで著者は、A、B、Cという大学の非常勤講師をしてその時の経験をこの本にしている。
そのA、B、Cという大学とは何か

A大学
中部地方の小都市のあり、通勤に往復7時間。
学生は(一斉授業)150人を教え、風紀が悪く所持品管理が必然。
学生にキャバクラ嬢、水商売バイトが多い。
要するに、キャバクラ嬢、水商売の学生がいる。
トップの東北弁なまりの学生(滑り止め)が、郷里の(国立)福島大学へ3年次編入合格(現役で落ちた大学)。

B大学

女子比率の高い首都圏にあり、通勤に往復3時間。
学力レベルが低く、中学生並の学力。
「中学生です。世界地図が分かりません。『ヨーロッパ』を国の名前だと思っている学生もいますから」

C大学
北関東の規模の大きい大学、駅から近く毎朝教員が出て道に広がらないように指導。
通勤に往復7時間、ゼミを担当。
「腕にタトゥー」「金髪」

「別の大学でね。教室の後ろからモップが飛んできました…掃除用のモップです。私が黒板に板書きをしていましたらね、テメーの話は分からねえんだよーって。飛んできました」と別の非常勤講師から聞いた大学。

これらの大学が「名前を聞けば多くの人が知っている『有名中堅私大』」というから元々の感覚が違う。

A大学、B大学というのは全く見当が付かないので、どんな大学なのか想像できない。
様子から見て、著者が言うFランクの大学に相違ない。
C大学の場合は、「北関東の規模の大きい大学」など余りない。
ランクとしては、「関東上流江戸桜」の中の大学が比較的大きい大学でその他の大学というのは看護大学ばかりだからここでしかない。
最近箱根駅伝で有名になってきた上武大学?
ここはWebで調べると、伊勢崎、高崎がキャンパスだが駅から遠い。
その他栃木の作新学院大学もスクールバスが出ているくらい駅から遠い。
・・・で、考えられるのは「関東上流江戸桜」の関東学園大学
太田市で「東武伊勢崎線 細谷駅下車、徒歩5分」。
ここは「経済学部」しかないから多分アタリだろう。

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こういう大学で「Fランク化する大学」と名を付けられてしまえば、そんなの当たり前だろうで本は売れない。
著者が知名度の高い有名大学とする「国立大学、関東地方の早稲田や慶応、MARCH(明治、青山、立教、中央、法政・予備校が命名)・・・」
という大学での話ではないところに余りインパクトはない。
ここで確認しておくと「Fランク」とは、大学偏差値を出す予備校が命名したランク付けである。
SS>S>A>B>C>D>E>F・・・・・Fは、フリーランクで、名前を書きさえすれば合格という大学の意味。

それでこのABC三大学での話ではなく
★第3章大学の何が問題なのか
最初の項目で
○大学が増え続けている。

ここで「人口が減っているのにもかかわらず、大学の数が増え続けていることだろう。
「基本的な学力がない者も入学するようになっている。」
などと書いている。
ここでは、過去の田中真紀子文部科学大臣が秋田公立美術大学、札幌保健医療大学、岡崎女子大の三大学の設置を不認可した例を出している。
この著者は、経済学か経営学だけが学問であるとかそう言う大学だけか大学であると思っているらしい。
著書が指摘している大学の急増は、短大や専門学校から大学へ変わる過程である。
分かりやすく言えば、看護学校はほとんど潰れて看護大学になったり、薬事制度が変わって薬大が増えたりという時代の変化である。
だから上智大学は、看護大学を吸収して総合人間科学部看護学科にしたり、慶応大学も薬大を吸収して薬学部にしたりするのと同じ系譜である。
今ほとんどなくなりつつある短大などは、看護大学に様変わりして存続を図ったりしているのが実情である。
そのほか前出の「秋田公立美術大学」などは、東京の私立5美大(多摩美、武蔵美、東京造形、日藝、女子美)などに進学するのには、お金がかかりすぎて困難というのを解消するため。
こういう公立美大系というのも、あちこちにできている。
この件に関して
「大学の数が増えているから、質の低い大学生が自動的に生まれるというのは、短絡てきかもしれないが、・・・・」と書かれている。

これは近視眼的であろう。
正確には、本来専門学校に行くレベル人、又は高卒で就職するレベルの大学生になっていると言うより、ならざる終えない現実がある。
○少子化と大学進学率の上昇

今高卒で就職できるというのは、難関な試験を通った公務員だったり専門資格を持った優秀な高校生だったりと生半可ではない。
その上、今は大学が昔の高卒扱いで、大学院修了で大学出扱いになったから時代の違いである。
又、指定校推薦や公募推薦などの特別入試を批判している。
しかし、よくよく見てみると一般入試で入学した学生に問題行動がある。
この辺のところは分析不足である。
その他、

第2章の「学生も教員も『Fランク化』」「ほとんどが現役生」の問題点の部分。


ここで「受験生の多くが第一志望以外の大学へ進学する・・・」という弊害を述べている。
確かにそうだが、そんなことは昔からそうである。
特に最近では、女子学生が女子大ではなく旧来なら男子学生しか進学なかった大学に行くようになり、上智、立教、青山は今や女子化している。
女子学生は、昔から理系以外は浪人しないので。

★第4章 良い大学の見分け方
★第5章 大学生活はゼミで決まる

この辺になると一般論なので、傾聴に値するところもなきにしもあらずである。
但し、文系のゼミ、経済学部など小生などの国立大学工学部とはかなり違いがあり又異論もある。
著者がオーバードクターの件を述べている。
・・・とは言え、教育実績もなく著書や論文もない状態で単に博士号を取っただけで非常勤講師をやれると言うのには限界がある。
そもそも往復7時間や3時間もかけて毎週「講義にゆく」という条件の悪い、誰もやりたがらない非常勤講師などを受けるのが悪いというものである。

そして「2016年3月教職を辞し、企業コンサルティングとして独立。」とあるのだから燃焼しきってしまったわけではないと言うところに微妙な感じを受ける。


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