大江健三郎「セヴンティーン」の時代
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「セヴンティーン」、大江健三郎の鏡に映った対極の姿
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地方新聞に「『禁断の作品』書籍化」という記事があった。
その禁断の作品とは、「セヴンティーン」(1961)の続編で「政治少年死す」である。
大学に入ったき、まだ70年安保の余韻も残って1970年では東北大学で学期末定期試験がロックアウトで出来なくなった。
その時、大学側が取った措置は全員留年、翌年の入学試験は中止だった。
そう言う中で学生運動に関わらなかったのは、大江健三郎の「セヴンティーン」のお陰である。
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当時の大学のクラスメイトに「セヴンティーン」を読んだかと聞くと、聞いた学生は一様に読んだという回答を得た。
しかも、大江健三郎の唯一の代表作という話もあった。
その続編は?
「政治少年死す」は、元の大江健三郎に戻ったから「読む価値はない」という結論だった。
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大江健三郎の「セヴンティーン」を読んだのは高校二年の17歳の頃である。
時は1968年、70年安保で大学がそろそろ荒れ始めその影響が高校レベルまでヒタヒタと迫ってきたのが肌で感じる時代。
東京都立竹早高等学校に機動隊が導入され、占拠していた生徒を排除するというWikipediaにも載っていない事柄が有名になったころである。
その中で17歳の自分としてはどう言う位置づけに置けば良いかと言うことの模索をしていた。
大江健三郎の著作は、大学受験に向けて担任教師(鎧塚)にどう言う本を読んだら良いのかと問うたらこの名前が出てきた。
それで「死者の奢り」・「飼育」・「芽むしり仔撃ち」などを読んだが、「悪文」の代表のようなものでセンテンスが何行にも及ぶ。
この書き方で小論文を書いたら間違いなく良い点数は付かない。
国語教師の先生(東大卒)は、小林秀雄の文体が好きだとのたまっていた。
しかし、小林秀雄は東大卒だったからのではないかと訝っていた。
なぜなら、小林秀雄の文章も悪文で主語述語などをあちこちにひっくり返して、単に分かりにくくしているだけ。
こういうものも入試対策として読んでいるのだから全く無意味であった。
そう言う中で日本文学全集にあった、「セヴンティーン」。
今は単行本の中に収録されているが、当時は見つからなかった。
この「セヴンティーン」という小説は、本当に大江健三郎が書いたのであろうかと思うほど平易で大江健三郎らしくない小説であった。
端的には、文体から登場人物まで大江健三郎とは対極にいる。
だから大江健三郎を鏡に映して、全く正反対の人物を表現したのかもしれない。
小説の時代は1960年安保のころとはいえ、1970年のいわゆる新左翼のいう日本には自衛権はない、自衛隊は違憲だから解体しろとか。
北朝鮮賛美もまだあった。
在日朝鮮人の帰還事業が1967年第155次の帰還船を最後に中断とWikipediaにあり、
すでに北朝鮮の実態が明らかになった時でもある。
新聞マスコミは、共産主義を賛美して自衛隊への嫌悪か、自衛隊の活躍を一切報じない姿勢を徹底的に貫いていた時代。
小説「セヴンティーン」の主人公が言う現実は至極まっとうで、何かに浮かされたような当時の学生運動家とは対極であった。
これで密かに心の中で思っていたことは間違いなかったと確信したものである。
大江健三郎氏は、当時の北朝鮮を賛美していたような人物である。
(1965年、「北朝鮮賛美」大江健三郎『厳粛な綱渡り』(文藝春秋新社)が刊行)
その鏡を通した姿というのが、今で見れば正に正しかった。
このことは今でも延々と違いはなく、彼らが言っている「民主主義」も「言論弾圧」も「自由」も全て言葉の意味が違う。
その言葉をそのまま鏡に映して、その鏡に映った言葉が我々に正しい意味を教えると言うことがわかる。
「共謀罪」と騒いでいる人たちを「市民」と新聞は書くのだが、なぜ国民と書かないのか。
要するに「市民」とは「市民団体」であって、ある特定の政治団体である。
通称「プロ市民」と言うらしいが、普通の市居の国民とは違う。
先日「昭和46年に東京・渋谷で警察官を殺害したなどとして指名手配されている男」らしいという中核派の活動家が捕まった。
40年以上も潜伏していたと言うことは、その支援組織がある蓮でこういう支援組織は「普通の市居の国民」ではない蓮である。
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