「大脱走・英雄<ビックX>の生涯」2014刊を読む
何となく長く感じた5月も終わった。
その連休中に積んであった読みかけの本を読んでみた。
その一冊が標題の「大脱走・英雄<ビックX>の生涯」で2014年秋に英国版(2013_08)伝記の初邦訳版として出ていた。
この本が出版されたのは、<ビックX>ことロジャー・ブッシェルの(収容所からなどの)手紙や写真などが公開されたことによるらしい。
又、この「大脱走」と言えば今では小学校のマーチングバンドで「大脱走マーチ」が演奏されている。
小生などの年代なら50~60年ほど前に1963年劇場版「大脱走」の宣伝を思い出すかもしれない。
スティーブ・マックイーン扮するバージル・ヒルツ(米軍陸軍航空隊大尉)が脱走した後にドイツ軍バイクでスイス国境を飛び越えるシーン(失敗)で有名である。
映画「大脱走」では、事実上1942年「第三空軍捕虜収容所」にロジャー・ブッシェルが収容されるシーンから始まっている。
(映画では架空の「ロジャー・バートレット」)
それ以降は映画ならではの多少の脚色や架空の人物などがあるものの脱走までの2年間は史実に基づいて描かれているようだ。
映画の「ロジャー・バートレット」(ロジャー・ブッシェル)のシーンは架空なので軍服で登場して、<ビックX>(集団脱走の計画立案・実行のリーダー)と紹介されている。
しかし、史実では以前の収容所を脱走していたチェコでSSに捕まり、その時に富裕層のレジスタンスに作ってもらったツイードのスーツ(背広上下)で「第三空軍捕虜収容所」に移動されている。
映画でもそうだが<ビックX>と思われる人物は、収容所を転々と移されたりしている。
詳細は映画と同じなのでロジャー・ブッシェルの人物を見てみる。
この頃の英軍将校が、英国内でも上流階級に近い又は知識階級であるというのは当たり前である。
このロジャー・ブッシェルも南アフリカの金鉱山経営責任者の息子で13歳で英国のウェリントンカレッジを経てケンブリッジ大学(ペンブルック・カレッジ)を卒業。
法廷弁護士であり、スキー選手。
ケンブリッジ大学在学中に(上流階級が関係する飛行倶楽部)英国補助空軍部隊(AAF)第601飛行中隊に入隊。
その後第92飛行中隊の中隊長(少佐)となり、最新のスピットファイアで出撃し、1940年5月23日撃墜され捕虜になっている。
当初のドイツでは、既にヨーロッパ大陸を納めているので上流階級・知識階級に属する空軍将校をかなり優遇していた。(空軍捕虜一時収容所)
しかし、バトル・オブ・ブリテンの後連合軍の空襲が激しくなると、何千人もの空軍捕虜を抱えるようになり数千人規模の「第三空軍捕虜収容所」が建設されている。
ロジャー・ブッシェルは、警備が手薄な空軍捕虜一時収容所から他の収容所に移されて行く内に脱走(2回目)して、チェコに行きレジスタンス(富裕なインテリ層)にかくまわれる。
レジスタンスの美貌の恋人を振ったために情報漏れが起き、親衛隊にみつかりレジスタンス関係者共々逮捕される。
1942年5月27日ハイドリヒ(ゲシュタポ長官及び親衛隊諜報部(SD)長官)が暗殺されることによってチェコ全土に戒厳令が敷かれ多くの人々が射殺されている。
このとき捕らわれていたチェコレジスタンスの元恋人の家族、協力者全てが処刑され元々楽天的で、快活なロジャー・ブッシェルは別人のようになったという。
この秋にロジャー・ブッシェルは、「第三空軍捕虜収容所」に移される。
1944年3月24日に脱走が実行され76名が脱走に成功した。
これに激怒したヒットラーが100人銃殺の命令を出すものの、50人に減らし名簿を作成した。
映画とは違って、逮捕されるとSSなど移され「本人確認」をしたあとで個別に銃殺された。
しかし、このジュネーブ条約違反の影響は非常に大きかった。
その後に1944年6月6日、ノルマンディー上陸作戦のD-デイ「オーヴァーロード作戦」があり、1944年9月17日 - 25日マーケット・ガーデン作戦となる。
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「祖父たちの零戦」2010/7/21を読むと戦闘機搭乗員というのは、一旦出撃すると戻ってこられるという保証はない。
従って、刹那的で給料などは全て使って残さないとあった。
それでLEICAのカメラで撮影した写真が多くあった。
その一方、英国の戦闘機乗りというのは戦争を何となくスポーツかゲームのように思っていたのではないかと感じる。
その延長線上でこの「大脱走」があるのかもしれない。
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