モラル・ハザードを生むAIG存続
モラル・ハザードを生むAIG存続
「再建中の米AIG幹部・賞与6億円」と読売新聞(米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版))が報じている。
「約400人の幹部社員に対する2008~09年の2年分のボーナスとして計4億5000万ドル(約440億円)の支給を計画していると報じた。」
「08年分のボーナスとして、5500万ドル(約53億円)が昨年12月に、1億6500万ドル(約162億円)が今月13日にそれぞれ支払われたという。」
このボーナスが「主に、AIGが巨額の損失を抱える原因となった金融商品を担当する部門の幹部向けに支給された。」というから盗人に追い銭というものだろう。
ここで考えられるのは、なぜAIGを破綻させなかったのかと言うことだ。
破綻させれば、保険の支払いも減額され当然AIGの元幹部に対するボーナスもなかったかも知れない。
それだけでなく、AIGが販売していたのは「金融機関が保有する住宅ローン担保証券などが債務不履行を起こした際、その元利払いを肩代わりする金融派生商品『クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)』」。
こんな米国の金融不安の元凶になったような証券なら、いくら損失が膨らむのか分かったものではない。
「政府による支援額(計1733億ドル=約17兆円)のうち、54%に当たる937億ドル(約9兆1000億円)を欧米の金融機関への支払いに充てたと発表した。」とAIGは発表したが、保証を受ける方も結構虫の良い話だ。
早く保証して貰ったもの勝ちとはこのことだろう。
米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は3月3日、
「追加支援を決めた米保険大手AIGについては、『基本的には巨大な保険会社に付随したヘッジファンドだった』との認識を示した上で、『多くの無責任な賭けをし、巨額の損失を被った』と批判した。」とするが、ヘッジファンドならなぜ破産させて整理しないのか。
「シティバンク」は政府管理下の銀行になったが、これも本来整理して破産させるべきなのだろう。
多分そうでもしなければ、米国の経済不安は解消しない。
それにしても、米国では破綻しているような金融機関などを政府管理下に置いて保護したために、非常に妙なことになった。
それは、AIGの元幹部を見れば良き分かることだが、AIGが破綻しても一生遊んで暮らせるくらいの巨額のポーナスを受け取って破綻した責任など何も取らないからだ。
他にも、リーマンショックの絡んでその原因を作った人々は、米国政府の救済合併などによって、上手く逃げた遂せた人々が多い。
今回の米国を端にする金融不安は、実際のところ「責任者」が責任も取らず、巨額な金を持って逃げしてしまったと言うことではないだろうか。
昔から、欧米では必ず不都合の責任者をあぶり出して責任を取らせると言うのが伝統だった。
だから、Nuremberg(ニュールンベルグ)裁判でナチスを裁き、責任者が明確でない日本では「責任者をでっち上げて」責任を取らせた。
日本の場合、官僚というのは重大な権限を行使するのにその責任を取らない。
実際、日本では政治家でさえ責任を取らない無責任体制だから物事が改まらない。
米国も今回に限っては「無責任体制」になってしまった。
誤りの責任を取らせないと言うことは、そのものから離脱出来ない。
もし最後までそうだとすると、この不況は中々収まらないだろう。
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