2017年6月9日、デルが東京六本木のホテルでAMD Ryzenを搭載した新製品発表会を開催した。
AMD Ryzenを搭載した最新のPCは、「NEW Inspiron 27 7000 フレームレスデスクトップ」、「NEW Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップ」、「NEW Inspiron ゲーミングデスクトップ」である。
展示されていたのは、その他「New Inspiron 15 5000ゲーミング」で「AMD FX 9830P クワッド -コア プロセッサー Radeon R7 グラフィックス」モデルである。
AMD Ryzenモデルの新製品のフレームレスデスクトップとは、液晶一体型のオールインワンPCで、ゲーミングデスクトップは新たな構成のVR対応である。
AMDの担当者ピーター・チャンバース、コンシューマーアジア、太平洋、日本Directorは、主に同価格帯であるIntel Core i7 7700KとAMD Ryzen 7 1700を比較してその性能を紹介している。
しかし、なかなか分かりづらいので、(自作パソコンを作る上での認識として)「新製品発表会」でAMD側で説明しなかったであろうという部分を含めて個人的な見解と認識を述べておく。
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AMD Ryzenの特徴 利点、欠点
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AMD Ryzenとは2017年春に全く新しいZENマイクロアーキテクチャーを採用した新世代CPUである。
単純に言うと現状のパソコンはノート型パソコン、デスクトップ型パソコン共にIntel製のCPUが席巻してその昔はPC界を二分していたAMD製品は見る影もなかった。
そこでIntel製のCPUを追い落とすべく登場したのが「Ryzen」である。
AMD Ryzenの真骨頂は、最大8コア/16スレットの高コストパフォーマンスを生かしての「3DCG」のレンダリングや動画エンコードである。
しかも、Intel製より省エネというのが売りである。
市場では、低価格でIntel製よりコストパフォーマンスの勝るAMD Ryzenが発売されたために、Intel製のCPUが急速に下がったがいまひと段落になっている。
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AMD Ryzenの特徴 利点(自作パソコンを作る上での認識)
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●AMD Ryzenには、Ryzen 7 1800X、1700X、1700、Ryzen 5 1600X、1600、1500X、1400というラインになっている。
●利点1
Ryzen 7、最大8コア/16スレットのメニューコアで「Ryzen 5」では、最高6コア12スレッドである。
これによって、動画のエンコードやマルチスレットに対応するゲームなどでは高いポイントが得られる。
●利点2
CPUが安い方のCPUでIntelの上位機並の性能が出せるためにもコストパフォーマンスが高く値段が安い。
同じくマザーボードも安くなっているので自作派としてはとりつきやすい。
●特徴1
AMD Ryzenはも光り物である。
Intel製では、パソコン内部の照明などは余りなく一時期の「光り物」が廃れてきたが復活。
●特徴2
利点1と重複するが、近年動画編集をしたいという要望が高まっているもののフルハイビジョンの編集には高価な高性能のCPUが必要であった。
それがAMD Ryzenの登場によって、ある程度の価格帯のパソコンで動画編集が容易にできる可能性が出てきた。
▲欠点1(特に自作などの時に)
AMD Ryzenは、最新のマイクロアーキテクチャーで作られているために、相性問題が解決されていない。
特にメモリーモジュールの「ランク」などがあって、メモリーを何本差すかによってメモリーの速度が制限されるなど相性問題がある。
しかもUEFI BIOS更新中で現状どの様になるのか分かっていない。
▲欠点2
マルチスレットを生かし切れない軽めのゲーム、DirectX12対応のゲームなどではベンチマークがIntel製CPUに劣る。
AMD Ryzenの基本クロックが低く(3.6GHz~4.0 GHz)また、Intel製に最適化されている部分があり、今後のBIOSなどの最適化が望まれるという。
▲欠点3
AMD Ryzenは、Intel製とは違い認知度が低く、Ryzen対応のチップセットの種類が分かりにくい。
Ryzen対応のチップセットには、X370、B350、A320の仕様があり、チップセット側インターフェースに微妙な違いが存在する。
特にA320では、Ryzenがオーバークロックを基本としているのにアンロックが出来ないなどの仕様がある。
▲欠点4
AMDのプラットフォームがSocket AM4になり従来のCPUクーラーでは対応できなくなった。
Socket AM4用のリテンションパーツが全てのメーカーで配布されていない。
△雑語だが、筆者の予備パーツのCPUクーラーが使えないので泣きである。
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★AMD Ryzenの特徴 利点の総合評価。
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(自作パソコンを作る上での個人的な認識)
ここで、AMD Ryzenではゲームのベンチマークが低く出るということがある。
実のところこういうのはベンチマークマニアでないと関係ないことも多い。
ゲームなどはGPUなどに依存して余程重いゲームでなければCPUの影響が出ないことも多い。
ゲームでは、FPS60あればよいところ、100とか120というレベルで競争しているようなものである。
その一方で、今までハイエンドのCPUでしか実現できなかった、動画編集が普及レベルのRyzenでも大丈夫という利点が大きい。
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AMD Ryzenを取り巻く環境
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近年パソコン需要が低迷している。
その理由は、簡易なパソコンならスマホで充分という理由もある一方、自作パソコン派というのがほぼ壊滅状態になった。
その理由は、インテルのCPUやマザーボードが高価である割にその性能の進化が見られないと言うことである。
特にGPUなどの上位のものは、それだけでパソコンが買えるくらいである。
発熱、省エネは進歩したかもしれないが、動画編集などの用途では最上位CPUを選ばざるを得ず性能も変わらないのなら更新しないというのが当たり前である。
それがコストパフォーマンスが高いAMD Ryzenや多少リーズナブルなGPUが発売されたことで、多少安価で高性能マシンが手に入る。
やっと手が届くところにパソコンが来たという気がする。
しかし、自作というのはまだ出始めて3か月程度しか経たず、不具合も潰し切れていないかもしれない。
先に示した欠点もマザーボード推奨の「メモリーモジュール」やCPUクーラーもリテールものを使ったり、慎重に事を運ぶ必要がある。
要するに、自作では少し待った方が良いという感じである。
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さて、大部講釈が長くなった。
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それで新製品発表会では、AMD Ryzenモデル3機種の
「NEW Inspiron 27 7000 フレームレスデスクトップ」
「NEW Inspiron 24 5000 フレームレスデスクトップ」
「NEW Inspiron ゲーミングデスクトップ」
が発売になっている。
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写真の「New Inspiron ゲーミングデスクトップ」は、AMD Ryzen 7 1700X プロセッサーを使用する「New Inspiron ゲーミング デスクトップスプレマシー VR 」である。
GPUは、NVIDIA® GeForce® GTX 1060 6GB 、下位モデルと間違いはメモリーの差。
159,980円だが・・・・・クーポンで132,783円。
その他、AMD Ryzen™ 5 1600X プロセッサーのモデル、AMD Ryzen™ 5 1400 プロセッサーのモデルもある。
ゲーミングパソコンは、やはりAMD Ryzen™ 5 1600X以上を選びたい。・・・・
(クーポンで107,883円)
※詳細は、DellのWebページで参照。
先に持論を述べた様に、AMD Ryzenで自作するには多少まだスキルがいる。
そんなときは、相性問題もないし保証もあるメーカー品が安心というのは、紛れもない事実である。
Dellで今回発売したAMD Ryzenモデルは、従来のインテルモデルより安価なのに性能が高い。
しかも、「夏のボーナスキャンペーン」(7月10日まで)「【夏のボーナスセール!】週末(金~月)限定、クーポンでさらに17%オフ!」
それにしても今回のAMD Ryzenに刺激されて、久々パソコンを組もうかと考える筆者の心が怖い気がする。


